台湾・民進党は「中国共産党」と同じ? 国民党など野党陣営が猛批判する国会議員リコール運動「大罷免」が起きた背景は

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自分に対する抗議集会を受けて、頼清徳総統は「独裁に抗議するなら(北京の)天安門へ行け」と言い返した。民進党が国民党を批判するとき最もよく使う言い回しが「中国共産党の仲間だ」というものだ。

国民党は台湾を共産党に売り渡そうとしていると、支持者に訴えると効果的なわけだ。要は、中国大陸を持ち出すことが、異なる意見の人を攻撃するのに最も有効なのである。

民進党初の総統だった陳水扁・元総統は最近、意見が違えば「中共同路人」(中国共産党の仲間)というレッテルを張る風潮に疑問を示し、注目された。しかしこの発言は、民進党支持者から批判され、炎上することになった。同じ陣営に属するはずの人からもこのような提言が出されるほど、レッテル張りは深刻なのである。

何をやっても結局「中国」か

しかし、国民党の「反緑共」のスローガンを見ると、実は民進党と発想はさほど変わらないことがわかる。相手を批判するのに中国大陸を、そして中国共産党を持ち出して貶さないと、ことが始まらないのだ。それに対して支持者も疑問を持たない。台湾のことを台湾のこととして、冷静に論じることができないのである。

日本では、マスコミも学者も、民進党は独立志向、国民党は親中国だと位置付けている。「中国と融和的な」。これが国民党を紹介する時の枕詞になっている。しかし、人の言葉をコピーばかりせずに、きちんと自分の目で観察して物を言おうではないか。

相手を批判するのに中国大陸を、共産党を持ち出すのは民進党も国民党もどちらも根は同じだ。どちらも、中国なしにはやっていけないのだ。そんな台湾に、本当の自主独立の精神や思想はあるのだろうか。多くの台湾の人たちの思考は、すでに中国大陸に、中国共産党に支配されていると言っても過言ではない。

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