今や100万人に迫る在日中国人、富裕層だけじゃない“爆増”の歴史的必然、人口減少の日本社会は耐えられるか
ーー日本に今来ている中国人の中でも、大陸の体制への距離感はさまざまでは。
舛友:「潤日」の人たちの中で堂々と反中国政府的な言動をする人は割と少数なんじゃないかなと思っています。大陸と往来して暮らしていたり、家族を残してきている人も多いので、そのあたりはかなり気をつけているという感じがしますね。
岡本:華僑が海外のチャイナタウンで暮らしていても、亡くなったら故郷の墓に葬るため棺桶で送るネットワークがあるというのは歴史上非常に有名な話なんです。
そういうのは彼らのコミュニティの中ですべてやるわけですよね。ですのでその大陸・故郷とのつながりは切れません。そういう風習などを維持していくため、あるいは暮らしを守っていくため自分たちのコミュニティっていうのはどうしても必要になる。
日本の中に、日本人があまり立ち入れないような中国人コミュニティができあがっていくっていうのも、やはり歴史上で繰り返されてきたことです。そこで定着をしていけば、最終的には今の中華街みたいなものになるかもしれない。現段階では、まだわからないですね。
中国サイドの事情を正しく理解する必要性
ーー日本社会は同化力がけっこう高くて、これまでもいろんな移住者の波を消化してきた歴史があると思いますが、100万人もの中国人を人口減少社会の日本が受け入れられるでしょうか。
舛友:最近やってきている「潤日」の人は日本語があまり上手でないことも多いです。そもそも日本で生活したことがないので、日本の慣習とかルールが見えていない。2世代目以降の変化に注目したいと思います
岡本:人口減少だったり高齢化だったり、そういうことに加えて、中国に対する印象とか感情というのが、非常に今の日本社会ではよくない。昔は中国をリスペクトする人が多かったが、今はほとんどそういう意識がない。また好悪はともかく、中国に対する造詣の深い人も減少の一途です。
さらに日本社会自体が収縮しているというような状況もある。今その中にあって、なぜ中国人が日本にやってくるのか、彼らは日本に何を期待しているのか。彼らを積極的に受け容れるにせよ、一定の制限をかけるにせよ、日本人はもっとこの状況をしっかり理解しておかないとまずいんじゃないかと思います。
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