オヤジのゴルフファッション=休日のお父さんというイメージで、いわゆる“ダサい服装”だといまだ認識されています。世のお父さん方は、自分でお洒落な服など買わない、買うのはゴルフ用のポロシャツやズボンくらい、だからそれで普段の休日も過ごしちゃうんですよね。でもゴルフファッションというのは、非常に型にはめられたもので、一つのパターンなわけですよ。ダサいのもしょうがないと言えるかもしれません。
ゴルフ場にはそれぞれ服装の規定があり、名門ほどその決まりがうるさいです。各ゴルフ場が発行しているマナーブックなどには「こういうファッションをしましょう」みたいなイラストが描いてありますが、これが「いつの時代のファッション?」 という古臭さなんですね。名門といわれる所はだいたい50年以上は経っていますが、たぶん当時からまったく変えてないのだろうと思われます。内容は、まずゴルフ場に行く際にはジャケット着用でジーンズはダメっていう所が多い。プレー中もTシャツではなく襟つきシャツでなければダメ。ズボンも短いものはダメで、ハイソックス着用ならOK。そして極め付きが、ポロシャツはズボンの中にインしなければいけないということ。今どきポロシャツをインするやつって、日本にはいないですよね。街なかでやっていると、かなり目立って恥ずかしいです。この決まり、もうそろそろ変えていいのでは? と思います。
そもそも紳士のスポーツだから、くだけた格好はダメという理屈ですが、ポロシャツを上に出すことがくだけてるかというと疑問を感じます。むしろインしているほうが、センスのないやぼったい人に見えて、“紳士”には見えないかも。それに襟つきシャツじゃなきゃダメっていうけれど、プロなんかはハイネックとか着てますし、ゴルフ用品メーカーの有名ブランドからも、襟のないウエアはいっぱい出てますよね。スパイダーマンことカミロ・ビジェガスなんかのファッションもそうとう変わっています。プロならいいけどアマチュアはダメっていうのもおかしな話です。ランニングシャツは、まあダメにしろ、Tシャツがいけないというのも理由がよくわかりません。
ジーンズも今やフォーマル化している時代です。アカデミー賞授賞式でも、上がタキシードで下はジーンズという格好を堂々としてますし、値段の問題じゃないけど、今や何十万円もするジーンズだってあります。はたしてジーンズはくだけているのでしょうか? 革靴と合わせるなど、着こなせばいいのではと思います。きっとマナー委員会は爺さんばっかりで、ファッションの固定観念を変えるのが難しいんでしょうが、多少は時代の流れもくんでほしいものです。
ちなみに、僕もプレー中はポロシャツをちゃんとインしています。お腹のポッコリがより際立つので、早めの改定を希望します(泣)。
山口県出身。早稲田大学法学部卒。松下電器産業(現パナソニック)勤務を経たのち、1974年に漫画家としてデビュー。現在、『島耕作』シリーズ(講談社)、『黄昏流星群』(小学館)を連載するほか、ラジオのパーソナリティとしても活躍中。
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