新型ESでは、ハイブリッド(HEV)に加えて、BEV(バッテリー駆動EV)を設定している。BEV化にあたり駆動用バッテリーを床下に収めたため、ボディ全高が100mm以上も高くなってしまったのだ。

「全長や全幅を変えずに全高だけ上げると、バランスの悪いデザインになってしまいます。クルマが力強く見えるために重要な要素はスタンスとプロポーションですから、全高とのバランスを考えると、全長と全幅も拡大する必要があるのです。そのことを社内の会議で順々と説いて、『全幅1.9mもよし』と説得に成功しました」
前出の熊井PCDによる解説だが、千足チーフエンジニアも社内を説得するのに、大きな働きをしてくれたそうだ。
LSよりも余裕を感じる室内空間
室内空間を決めていくパッケージングが先だったのか、先述のとおり、デザインが先だったのか。そこははっきりと語られていないが、できあがったクルマは、リムジンとも呼びたくなるぐらいに広い室内空間を有する。
後席空間は楽に脚が組めるほどたっぷりしていて、上級車種であるLSよりも余裕が感じられる。

「広い」とか「大きい」といった要素が、中国市場では強く重視されるため、実際にオート上海の会場でこの新型ESは、中国の若いメディアからも注目を集めていた。
キラキラとしたクロームと数多くのLEDランプで飾りたてられたSUVやミニバンが数多く出たショーの中で、セダンの美しさを追求したというESは、やや異色。それでも、レクサスブースに置かれた新型ESは、常に写真を撮るメディアやブロガーに取り囲まれていた。

現時点では「プロトタイプ」とされているが、パワートレインは先述のとおりHEVとBEVの2本立てで、それぞれさらに2種類ずつある。
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