全国新幹線「海産物輸送」、鹿児島→大阪間に密着 明け方に水揚げした魚が昼過ぎには売り場に

午前4時40分、2月7日の鹿児島市中央卸売市場・魚類市場。私はこれから大阪への旅を共にする、「パートナー」と合流すべくこの場所にやってきた。
新しい輸送手段として期待大きい
場内は水揚げ直後の新鮮な海産物が多く並んでいる。「これでも時化(しけ)で数は少ない」と教えてくれたのは、ここで鹿児島県産海産物の仲卸、加工を行う山実水産の山口憲一郎社長。そして、ここに揚がった朝獲れカツオこそが、この日の私のパートナーである。
鉃道事業者にとって未曾有の事態となったコロナ禍の最中、JR東日本・北海道・西日本・九州の4社では2021年より新幹線を使用した即日荷物輸送サービスへの本格的な取り組みを開始した。旅客需要が大きく落ち込む中、新幹線輸送の最大の利点ともいえる速達定時性、高頻度運行、広大なネットワークというメリットは旅客のみならず、荷物輸送にとっても同様である。2024年にJR東海が荷物輸送へ参画したことを受け、国内すべての新幹線網で荷物輸送可能な地盤が整った。2024年度以降、働き方改革関連法により、自動車運転業務の年間時間外労働時間上限が960時間へと制限されたことからコスト、距離などに制限がかかる「2024年問題」を抱える中、新たな物流手段として期待されている。
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