全国新幹線「海産物輸送」、鹿児島→大阪間に密着 明け方に水揚げした魚が昼過ぎには売り場に

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

現在では各地の銘菓や農作物などの各地域で開催される催事への輸送や、生鮮品輸送などが主で、主幹駅などで各地域の駅弁などが列車によって輸送されたことを表示するPOPなどを見かけることも徐々に増えてきた。さらにJR東日本では新幹線荷物輸送に特化した専用編成導入も発表している。

そんな中2025年2月7〜8日、JR6社が共同して日本中の旬の味覚を新幹線で輸送する、「新幹線でつながる旬食フェア」が開催。JR大阪駅に直結するショッピングセンター「KITTE大阪」に即日輸送された日本各地の旬な味覚が集結した。

先のカツオもその仲間の1つで、今回のイベントでは最南端からの参加となる。カツオは水揚げ直後にすぐに表面をさっとあぶってタタキへと調理され、真空パック冷蔵状態で大阪を目指す。

新幹線荷物輸送用に競り落とされたブリ。JRの文字が見える(筆者撮影)

トラック輸送にはできないメリット

時刻はまだ朝5時を回ったところだが、「今日は意外に時間がないんです」と山口社長。今回は大阪のイベントになるべく早く届けるべく、鹿児島中央8時43分発山陽・九州新幹線「さくら546号」に間に合わせなければならない。

もっとも、普段なら荷物輸送に対応した列車であれば、送りたい時間に合わせた列車をチョイスすることも可能である。トラックなどほかの物流機関は「この時間以降は翌日配達」のような大きな幅の区分が多いが、新幹線荷物輸送であれば「1本後の新幹線に乗る」といった感覚の時差で利用できるのも長所である。

多頻度運行の新幹線は人員確保が難しい深夜~早朝時間帯に加工作業を行わなくとも即日配達が可能なエリアが広がり、生産者目線でのメリットにもつながっている。山口社長も「時間との戦いである魚の鮮魚出荷と新幹線輸送の速達性は相性がいい。将来的に有望視されるもので、魚類市場に活気をもたらすと思っている」と荷物輸送に思いを乗せる。

この記事の画像を見る(20枚)
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事