悲願のW杯優勝へ、「サッカー王国」清水復活の先に見据える"知将"反町康治の挑戦

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それが2022年カタールW杯では、伊藤洋輝(ドイツ1部・バイエルン)1人だけ。しかも彼は清水の永遠のライバル・ジュビロ磐田のアカデミー出身である。

清水関連の代表選手は、2014年の内田篤人(清水東高校出身、解説者)以降は出ていない。その現実はサッカー王国の人々にとってやはり寂しいはず。だからこそ、清水エスパルスの強化を図り、オリジナル10の名門から数多くの日の丸を背負うプレーヤーが出てくるようにしたいところなのだ。

清水エスパルスは“サッカー王国”の「オリジナル10」として、数々のタイトルを獲得してきた(写真:筆者撮影)

悲願のW杯優勝のために必要な要素

「今の日本代表は2026年北中米W杯優勝を目標に掲げています。そのためにはダブルチーム・トリプルチームの戦力が必要。それは森保一監督ともよく話をしていました。

2022年のときは2戦目のコスタリカ戦で何人かメンバーを入れ替えて戦いましたけど、初戦のドイツ戦や3戦目のスペイン戦のようなパフォーマンスが出せなかった。そういうことがないように、誰が出ても遜色ないチームを作ることが肝心です。

そういう舞台に、いずれ清水出身の選手を送り出せれば一番いい。もちろん1年後には間に合わないかもしれませんけど、いずれはそうなるように仕向けていかなければいけないんです。

私は4月に欧州を訪れ、スペインで久保建英(スペイン1部レアル・ソシエダ)の試合を生で見ましたが、スピードや強度、デュエル(1対1)の迫力といった部分ではJリーグとは差があるなと感じました。その差は徐々に縮まってはいますが、まだ完全に埋まったわけじゃない。その基準をしっかりクラブ全体にフィードバックしながら、高いレベルを目指していきます」

反町GMという世界基準をつねに追い求めている強化責任者がいることは、清水にとっての大きな強みになるはずだ。彼を筆頭にチーム全体の力を結集させ、強い清水を築き上げていければ、日本サッカー界全体が盛り上がる。まずは今季のJ1で上位をキープし、その布石を打ってほしいところだ。

元川 悦子 サッカージャーナリスト

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もとかわ えつこ / Etsuko Motokawa

1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、1994年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。著書に『U-22』(小学館)、『初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅』『「いじらない」育て方 親とコーチが語る遠藤保仁』(ともにNHK出版)、『黄金世代』(スキージャーナル)、『僕らがサッカーボーイズだった頃』シリーズ(カンゼン)ほか。

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