日産が2025年3月期業績見通しを下方修正、純損失は最大7500億円になる見通し

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(写真:ブルームバーグ)

日産自動車は24日、2025年3月期通期業績予想を下方修正し、純損失が最大7500億円に上る見通しだと発表した。

日産が今回示した赤字水準は、カルロス・ゴーン元会長が主導した改革初年度の00年3月期(6844億円の赤字)を上回り、過去最大となる。日産の発表によると、北米、中南米、欧州、日本における資産の見直しによる5000億円超の減損損失と600億円超の構造改革費用が含まれる。

販売低迷で業績が悪化している日産は2月、再建計画に伴う費用計上で25年3月期の純損失が赤字に転落する見通しだと発表。発表前に構造改革費用で計8000億円の費用がかかると一部の証券会社が推計していたが、赤字額は800億円の予想と小幅にとどまっていた。今回の修正で一定の膿(うみ)を出す格好となる。

ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生シニアアナリストは電話取材で、市場の想定に比べ第3四半期決算時には「まやかしのような純損失」予想が示されたと指摘。今回の大規模な損失計上することで日産の経営陣が「ついに腹をくくることができたのはポジティブ」と述べた。

資金繰りへの懸念について、吉田氏は減損であればキャッシュアウトは伴わず、今後の償却費の低減につながるとの見方を示した。また、吉田氏は「資金繰りに困るほどのキャッシュアウトをするつもりはないと思う」とした。

日産は発表で、自動車事業の手元資金が1兆4980億円あるなどとして、厳しい事業環境を乗り切るための十分な資金を確保していると強調した。

日産の25年3月期純損失は、ブルームバーグが事前に集計したアナリストの予想平均値では1123億円だった。また、日産は25年3月期の営業利益も850億円と従来予想の1200億円から下方修正した。

著者:畠山朋子、稲島剛史

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