《1浪で東大不合格→10年後に東大文3に進学》なぜ再受験を決意したのか 彼を東大受験に駆り立てた未練

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高校に入ると、明治時代に入らずにまた縄文時代に戻ってしまい、自主勉強だけでは受験対策がカバーできないことから、一時は大学受験を諦めた田中さん。

しかし、高校3年生になってからはまた、東大を目指したいという思いが再燃しました。

「そのまま上の大学に進もうと思っていたのですが、4割は他大学を受験する環境でした。同じ文系でも東大や一橋などを受ける人もいたのですが、私のほうが受験に適していない学校の授業をまじめに受けているのに、彼らは予備校に通って難関大学を目指せるのがうらやましかったんです。多分、ただのひがみですね」

こうして高校3年生の夏ごろから、官僚になる夢と、たくさん勉強できるという点から東大を目指して勉強を重ねた田中さん。

しかし、現役のときは日本史も世界史も、さらには数学も古典もまったく間に合いませんでした。途中で志望校を一橋大学に変更し、センター試験では900点満点で700点台を記録したものの、一橋を目指すには厳しい点数だったために受験を見送り、早稲田大学と中央大学の文系学部にだけ出願して、両方とも合格しました。

ここで、彼は諦めきれずに浪人を決意します。

1浪で東大合格に近づいたものの…

彼に浪人した理由を聞いたところ、「不完全燃焼感があったから」と語ってくれました。

「東大に行きたい思いはあったのですが、それ以上に中高6年間の勉強が自分の中で終わっていないと思っていました。学校の授業は受験向けに作られていなかったので、結果が出なかったのも自分の実力ではないと思っていたのです。志望校を東大にしてもう1年勉強することで、自分の中でケリをつけたいと考えていました」

そのような思いで大手予備校に入った田中さん。「高校の学費がなくなるから予備校にシフトしても家庭的には大丈夫だった」と語ります。

この1年は時間割通りに授業を受け、夜まで自習室で勉強を続けましたが、とても楽しい1年だったそうです。

「高校の授業では、日本史や世界史の教科書が大学受験で問われる範囲の10分の1くらいしか終わらなかったので、その残りをわかりやすく勉強させてもらってすごく面白かったです。きっと、ここで浪人をしていなければとても後悔したと思います」

現役のときは東大関係の模試は受けなかったものの、浪人のときは東大の冠模試でC判定も出ていた田中さん。

センター試験ではこの1年の成果が出て大きく点数を上げ、811点を獲得。平均的な東大受験生の水準には到達していました。

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