今年で70歳の「明石家さんま」 《トーク番組》を中心に活躍する背景 "60歳での引退撤回"後もレギュラー番組多数

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そんな大ベテランが、なぜトーク番組を中心に据えて活躍してきたのか。その答えが、若手時代に師匠・松之助から聞いた言葉にある気がしてならない。

「『さんま、雑談をテレビや舞台でできたら、これが一番やで、凄いことやぞ』と、よく仰ったんです。雑談をテレビで? ほんにそんなバカなっていう時代だった。僕は師匠の言うことを真剣に聞いていた。

ある時『笑っていいとも!』でタモリさんと初めてコーナーをやったんです。で、そのコーナーがあんまりハネなくて、ディレクターからどうしようと言われて。僕は『すまんけど、タモリさんとならいける、雑談でやらしてくれ』と試しにお願いしたんです。“雑談でちょっとワンコーナー”ぐらいに思ったのが、『日本一の最低男』の誕生のきっかけだった」(前述の『SWITCH Vol.41 No.1』より)

さんま自身がテレビっ子であり、豪放磊落な師匠を持ったことで早くから進むべき方向が決まっていたのかもしれない。

還暦での引退を撤回

とはいえ、爆笑問題・太田光から「格好悪いところを見せてくれ」と言われ、還暦での引退を撤回してから10年。

当然ながら、若い頃とは体力や感覚も変化しているはずだ。それでも、“さんまちゃん”として明るい70代を見せてくれることに期待してしまう。そんな稀有な芸人は、ほかにいないのではないか。

鈴木 旭 ライター/お笑い研究家

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Akira Suzuki

2001年から東京を拠点にエモーショナル・ハードコア/ポストロックバンドのギターとして3年半活動。脱退後、制作会社で放送作家、個人で芸人コンビとの合同コント制作、トークライブのサポート、ネットラジオの構成・編集などの経験を経てライターに転向。現在、『withnews』『文春オンライン』『現代ビジネス』『FRIDAYデジタル』といったウェブ媒体、『週刊プレイボーイ』(集英社)などの紙媒体で記事執筆中。著書に著名人6名のインタビュー、番組スタッフの声、独自の考察をまとめた『志村けん論』(朝日新聞出版)がある。

 

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