今年で70歳の「明石家さんま」 《トーク番組》を中心に活躍する背景 "60歳での引退撤回"後もレギュラー番組多数

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また、共演者のあらゆるリアクションを想定し、体と声色を存分に使って次々と“被せ技”を見せるのもさんまならではだ。「イヤ~ン!」「めっかっちゃった!」「(舌でペン先を舐め、メモを取るマイムで)そのギャグ、いただき」「バッサリいかしていただきます」など、数え上げれば切りがない。

うめだ花月の前の路上で信号待ちをしていた折、中学生3人組のひとりにおしりを蹴られたさんまが「ナイスキック!」と返して閉口させた有名な逸話は、つねにテレビで被せ技を披露していたことによる条件反射だったのかもしれない。

トーク番組を中心に据えた理由

こうした“軽さ”と同時に、1998年放送の『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系。1996年~2018年終了)にゲスト出演して以降、若手に厳しい“お笑い怪獣”というイメージも強くなった。

その一面は、さんま自身が若手時代の自分をしかってくれた先輩への感謝から出たものかもしれない。前述の『SWITCH Vol.41 No.1』の中で、落語家・桂文珍は『ヤングおー!おー!』の「ザ・パンダ」<先代の林家小染、月亭八方、桂きん枝(当代の桂小文枝)、桂文珍からなる番組内のユニット>に加入した当時のさんまをこう振り返っている。

「この子はすごいなぁと思たね。段取りを決めてるでしょ。それを、さんちゃんは忘れるねん。忘れても平気。『カァッー!』て明るい。セットの裏に入った途端に、三枝の兄貴に物凄い怒られるねん。でもさんちゃんは『ハハハッ!』とか言うて。やっぱり普通の人やなかったね」

文珍が話す「三枝の兄貴(桂三枝)」は、『ヤングおー!おー!』の新たなレギュラー出演者にさんまを強く推薦した張本人だった。期待するがゆえの厳しさだったのだろう。

他方、さんまは年齢の離れた若手にもライバル心を持ち続けてきた。前述の『ワレワレハワラワレタイ』の中で、「やっぱ皆、本当に面白いし。お笑いを目指してるやつらってね。だから、勉強にもなるしね。悔しい思いもさしてくれるし、安心もさしてくれるし。そのへんで生きていけてると思う」と本人が語っている通り、若手と張り合うことが大きなモチベーションになっているようだ。

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