【産業天気図・精密機器】好業績を謳歌する大手各社。07年は「快晴」

精密大手が絶好調だ。ここ数年、業界は晴れ模様が続いているが、今の状況は「快晴」と言っていいかもしれない。
 最大手キヤノン<7751.東証>の前06年12月期は円安の押し上げもあって大幅増収増益だったが、円安効果をさほど見込まない今07年12月期も増益基調に揺らぎはない。収益を牽引するのは米ヒューレット・パッカードにOEM供給しているレーザービームプリンターや、昨年末から新製品を多数投入しているデジタルカラー複合機。デジタルカメラも一眼レフ、コンパクト機とも高成長が見込めそうだ。今年末には次世代薄型ディスプレーSEDを市場投入する予定だが、パイロットラインでの少量生産分の販売であり、本格量産に踏み切るかどうかがキヤノンの今年最大の注目点になる。
 07年度の話題といえば、10月予定のHOYA<7741.東証>とペンタックス<7750.東証>の統合だ。液晶用マスクやHDD用ガラスディスクなど特定分野で高シェア・高収益を上げるHOYAと、デジタル一眼や内視鏡など技術力では定評がありながら、会社の規模が小さく体力がないため伸び悩んでいたペンタックスが統合することで、ペンタックスの事業を大幅に伸ばす可能性がある。特に内視鏡など医療分野は高収益が期待される。
 リコー<7752.東証>も好調が続きそう。08年3月期は、07年3月期以上の利益成長が射程に入ることを3月の経営方針説明会で桜井正光社長が明言しており、2ケタ程度の増益が見込めそうだ。07年1月に米IBMの基幹系プリンター事業買収を発表、今後は商業印刷への進出も注目される。
 06年1月に祖業の写真関連事業から撤退し、事務機と光学部品に特化したコニカミノルタホールディングス<4902.東証>も好調。08年3月期は写真関連事業の赤字がなくなることも、収益押し上げ要因になる。
 オリンパス<7733.東証>の07年度は、デジタル一眼がどれだけ成長するかがカギ。昨年は新製品投入で出遅れたが、今年に入って世界最軽量級の新製品を発表。キヤノンとニコン<7731.東証>が圧倒的に強い一眼市場で存在感を示せるか、まずは春商戦が一里塚になる。
 そのニコンは一眼レフで絶好調。昨年末に「D80」「D40」など普及価格帯の新製品を相次いで投入したのが奏功し、シェア首位を守ってきたキヤノンを瞬間風速的に追い抜いた。ArFなど最先端の半導体露光装置も販売好調で、08年3月期はさらなる高業績を叩き出しそうだ。
 なお、精密産業は輸出比率が非常に高く、常に円高が大きなリスク要因。06年度に貢献した円安効果が剥げ落ち、さらに円高になっても好業績を維持できるかが、各社の実力を測るうえで重要な視点の一つとなる。
【吉川明日香記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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