『スター・ウォーズ』はもはや文化だ 17年ぶりの日本開催ファンイベント『SWC』は熱狂の渦に!日本がアジア唯一の開催地に選ばれる訳は?
日本開催ならではのブースだったのが、『スター・ウォーズ:ビジョンズ』のアニメ&マンガ パビリオン。シリーズ作品のアートワークのほか、没入型マンガアートやファンステージなどの体験コーナーが来場者を楽しませた。また、スタジオジブリに影響を受けたルーカスフィルム・アニメーションのアニメーターが、ジブリのキャラクターや画風をオマージュして描いたオリジナルイラストや、ジブリのアニメーターからルーカスフィルム・アニメーションへ贈られたイラストが展示され、貴重なアートワークに惹きつけられるファンが人垣を作った。
そのほか、『スター・ウォーズ』の世界を体感できる『Meta Quest』ブースも最大180分待ち。ヘッドマウントディスプレイ・Meta Questを装着した『Star Wars: Beyond Victory』『Vader Immortal』などスター・ウォーズVRゲーム体験となり、ライトセーバーのトレーニングが人気になっていた。
『スター・ウォーズ』推し文化がいかに出来上がったか
今回の『SWC』のチケットは前売りで完売だった。優先入場などの特典がついたチケットの「ジェダイ・マスター」(14万133円)は、発売からわずか30分ほどで真っ先に売り切れてしまった。こうした背景には、ファンを大切にするルーカスフィルムのフィロソフィーがあり、それが特有の熱狂的な“推し文化”を育んできた。

『スター・ウォーズ』は、1977〜1983年のオリジナル3部作に、圧倒的な作品の力があった。ジョージ・ルーカスによる革新的な映像技術を駆使した映像演出は世界中を席巻した。シリーズ化によってその作品力を拡張させていくのと同時に、イベントやグッズなどによってファンとの接点も拡大していく。
その過程における最大のポイントが、ファンを熱狂させる『SWC』だ。ただ単にキャストやクリエイターの交流の場を作るだけでなく、ファンアート展示やコスプレイベント、ファンの創作エリア、ブース内のファンステージなど彼らが参加する場も設けることで、双方向の関係性を築いていった。
ファンを愛し、心から喜んでもらおうとするルーカスフィルムのホスピタリティ。それがファン同士を強固な絆で結ぶ『スター・ウォーズ』の推し文化の源であり、現在のファンダムにつながっているのだ。
ディズニーによる買収からのルーカスフィルムの変化
IP(知的財産)の360度展開は今でこそコンテンツホルダーの一般的な戦略となっているが、ルーカスフィルムはそれを2000年前後にはじめ、拡張し続けている。そうした中で現在への飛躍のきっかけになったのは、2012年のディズニーによるルーカスフィルムの買収だ。
膨大なコンテンツを有する巨大メディアグループの傘下に入ったことで、ルーカスフィルムおよび『スター・ウォーズ』のライセンシー・オポチュニティおよび商品数は格段に増加した。カリフォルニア ディズニーランド・リゾートに『スター・ウォーズ』初のテーマランドが設けられて聖地化したことは、その恩恵を如実に表す一例といえるだろう。
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