高給と快適な生活を捨て、台湾青年医師はなぜ帰郷したか

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「超人医師(スーパードクター)」と呼ばれる徐超斌さん(1967年生まれ)は、大病院での高給を捨て、台湾東部の山深い故郷である台東県達仁郷に帰ってきた。今は衛生所(日本の保健所に相当)の主任兼医師だ。

僻地では医療設備が不足気味。たとえ医療設備があっても、医師はわずか。徐さんはもともと台南の大病院や奇美医院で急患医師を務めていたが、10年前に自分の故郷である無医村の達仁に帰ってきた。給料は以前の4分の1に減った。

そもそも、彼は電子機械に興味があり、大学入試で名門の交通大学電子工学科に合格した。しかし、地元の期待は彼が医師になることだと知った彼は、休学して受験し直し、医科大学に入った。このとき徐さんは、将来医師として達仁に戻ることを心に決めていた。

彼は、どんな病気の患者にも対応できるよう、内科と外科のいずれも学び、急患専門医師となった。

徐さんが戻る前の達仁には、病院はおろか、個人経営の診療所もなかった。あるのは衛生所だけ。医師は1人だけで夜や休日には医師がいないため、住民は病院へ行くにも時間を選ばなければならなかった。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事