山手・京浜東北線を運休「田町駅線路工事」の意味 「羽田アクセス線」とどう関係しているのか

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工事の時期が4月下旬の週末になったのは、全体の進捗や利用者への影響を考慮したほか、「これより後になると酷暑期になってしまい、レールを触る作業が難しい」(JR東日本)ことも理由という。気温が高いとレールが伸びることもあり、線路切り換え作業によってさまざまな影響が出かねないためだ。

今回の工事では、線路切り換えは山手線外回りと京浜東北線南行の2線のみだ。羽田空港アクセス線の整備のためには、さらに東海道本線の上り線も移設し、大汐線と接続する線路のためのスペースを確保する必要がある。同線の移設については「具体的な施工計画は今後検討を深めていく」(JR東日本)といい、現時点では時期は未定だ。

田町駅全景 俯瞰
上空から見た田町駅の全景(記者撮影)
田町駅近くの「雑魚場架道橋」に掲示された、線路切り換え工事による通行止めのポスター(記者撮影)

羽田アクセスは競争の新時代へ

羽田空港へのアクセス鉄道をめぐっては、JRの新線以外にも動きがある。

国土交通省は4月4日、東急・JR蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶ「新空港線」(蒲蒲線)の整備に向け、東急電鉄などが申請していた整備・営業構想を認定。実現に向けて一歩前進した。

【写真をもっと見る】田町駅の線路切り換え工事で山手線外回りと京浜東北線南行は線路の位置が移動。羽田空港アクセス線の整備に向けて新しい線路のスペースを確保する

同線は東急多摩川線と接続し、京急空港線に乗り継げるようにすることで羽田空港アクセスを改善する計画。東急線や相互直通各線からの利便性が高まるとの期待がある。

JR羽田空港アクセス線の開業目標は2031年度。新空港線の計画も具体的に進展しつつある中、羽田空港と都心を結ぶ交通機関は近い将来、さらなる競争時代に突入しそうだ。

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小佐野 景寿 東洋経済 記者

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おさの かげとし / Kagetoshi Osano

1978年生まれ。地方紙記者を経て2013年に独立。「小佐野カゲトシ」のペンネームで国内の鉄道計画や海外の鉄道事情をテーマに取材・執筆。2015年11月から東洋経済新報社記者。

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