山手･京浜東北線を運休｢田町駅線路工事｣の意味　「羽田アクセス線」とどう関係しているのか

羽田空港アクセス線は、羽田空港と湾岸部にある東京貨物ターミナル付近を結ぶ約5kmの「アクセス新線」を建設し、東海道本線など既存の路線と接続して都心部各地と羽田空港を直結する計画。東京駅方面と結ぶ「東山手ルート」、新宿駅方面と結ぶ「西山手ルート」、新木場駅方面の「臨海部ルート」の3ルートを整備する予定で、現在はアクセス新線と東山手ルートの工事が進んでいる。

東山手ルートは、田町駅付近で東海道本線と休止中の貨物線「大汐線」を接続し、アクセス新線に乗り入れて東京駅方面と羽田空港を結ぶ。今回の田町駅付近の線路移設は、この東海道本線と大汐線をつなぐ新しい線路を設けるためのステップの1つだ。

「引き上げ線」の跡地に線路を移動

今回の工事で山手線外回り・京浜東北線南行の線路を移設するのは、田町駅ホームの東京寄りの端から旧海岸通りをまたぐガード付近まで、約600mの範囲だ。

同駅付近は西側から、京浜東北線北行（大宮方面）・山手線内回り・山手線外回り・京浜東北線南行・東海道本線上り・東海道本線下りの順に線路が並んでいる。大汐線に接続する線路は東海道本線の上下線の間に設置するため、両線の間を広げてスペースを確保する必要がある。

田町駅付近の線路。西（左）から京浜東北線北行・山手線内回り・外回り・京浜東北線南行・東海道線上り・下りの線路が並ぶ。右端は東海道新幹線だ（記者撮影）