読解力のない人はデジタルの恩恵を得られない 因数分解が物事を理解するための「カギ」

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「子どもには自分が好きなことを仕事にしてほしい」と親はよく言いますが、自分の能力がどこにあるか、子どもの頃からわかっていましたか?

僕も自分の好きなこと、自分の能力が漠然とわかるようになったのは、40代くらいからです。

なので、幼い頃はシン読解力をきちんと高めることのほうがきっとその子の将来にプラスになるのではないでしょうか。そして、大人になったときのマッチングの指針にできたらいいですよね。

海外ドラマで頭の因数分解トレーニング

本の中で、新井さんがシン読解力を上げるためのトレーニングを紹介していますが、僕が提案するならば、算数とか数学です。特に、中学数学でやる因数分解のイメージです。

ある出来事を作り上げているパーツをバラバラにする、つまり因数分解してみて、その出来事がどう組み上がっているのかを考えるのです。構造的にものを考える力を育てることが、非常に大事だと思います。

たとえば最近の海外ドラマは、登場人物が多かったり、場面が複数同時進行していたり複雑なものが増えています。そういうものを見ながら、伏線回収の仕方や全体像を構造的に理解することもトレーニングになると思います。同時にドラマを楽しめますしね。

海外ニュースを多面的に見てもいい。

トランプ大統領の話も、本人が言っていることだけを真っ直ぐ受け取るよりは、ヴァンス副大統領や国防次官候補のエルブリッジ・コルビー氏など、トランプ政権の周囲の人々に注意を向けてみると面白いです。

それぞれのパーツを複層的に見ることによって、一貫性のある哲学や方向性が読み取れることも多いのです。

僕はテクノロジーの話をずっと追ってきましたが、どうしても経済の話と密接に繋がっていきます。あるテーマの全体像を描こうとすると、マクロ経済の知識がないと何かもの足りなくて説得力に欠けてしまう。

そこでこの5年ほど一生懸命マクロ経済の本を読むようになったら、少しずつわかってきました。経済を結びつけると、こういうふうに見えてくるのか、と全体像がくっきりしてくる。

次ページSNSで脊髄反射のように批判する人たち
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事