萩生田光一「"与党ボケ"の価値観を振りかざすのはどうか」場当たり対応の少数与党・自民党は参院選をどう戦うべきか

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――高額療養費制度もそうですが、追い込まれてどんどん妥協するだけだと、自民党は他党の主張をどこまでのむかを決めるだけに見えます。こんな状態では、参議院議員選挙に勝てるわけがないと思ってしまいますが。

厳しいと思いますね。だからやっぱり、もうここは初めての少数与党としての厳しさを感じながら、自民党って何のためにつくった政党なのかと、立党の精神に戻って考えるときかと。そしてそれは、まさに憲法改正をして、国の形を変えていこうというものです。

そういう原点や、あるいは「保守」というのを定義するのは難しいですが、歴史・伝統を守りながら改革をしていく政党が自民党なんだと、皆さんに訴えてきたわけですから、そこをわかりやすく、もう一度原点に戻って発信をしていく必要があると思います。

――具体的に、自民党はどういうことを訴えていくべきでしょうか。

やっぱり目下、国民の皆さんは物価高に非常に苦しんでいて、そんな中で、例えばガソリンの補助が再開するという話があります。あれは僕が当時担当してスタートしましたが、あのときは「激変緩和措置」としてやっているんですね。なので、物価高騰対策ではなかった。

今これだけの物価高ですから、補助を続けていくことになるんだと思います。でも、だったら暫定税率を下げることを早くやったほうが、国民の皆さんの腹落ち感、納得感がある。国がちゃんと導いてくれるんだと思ってもらえるような政策に、ちゃんと細かくつくり直していくことが必要ではないかと思います。

出処進退はリーダー自身が決めること

――参院選の前にも石破総理を交代させるべきだという声もあります。萩生田さんはどう考えますか?

僕は、(旧安倍派の)僕たちが原因で少数与党になってしまったという面もあると思っています。だから何かを言える立場にはないので、自民党の一員として支えていくのみです。

マスコミ各社は、”喪が明ける”と私が反旗を翻して石破政権打倒をやるんじゃないかと、すごく煽るんですが、私は自民党を自傷するつもりはまったくありません。

ただ、出処進退というのはやっぱりリーダー自身が決めること。石破さんが党の役員をやっていたときには、例えば都議選で負けた麻生さんに退陣を迫ったり、参院選の結果を受けて安倍さんに退陣を迫ったりしていましたよね。そのことは石破さん自身がいちばんよく覚えていらっしゃると思います。

撮影・編集:昼間將太
青山 和弘 政治ジャーナリスト、青山学院大学客員研究員

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あおやま かずひろ / Kazuhiro Aoyama

元日本テレビ政治部次長兼解説委員。1992年日本テレビ入社。1994年に政治部に異動し、以来羽田政権から石破政権まで16の政権を取材。野党キャップ、自民党キャップ、ワシントン支局長を歴任し、国会官邸キャップを2度6年に渡り務める。与野党、省庁を問わない幅広い人脈を持ち、分かりやすい解説には定評がある。2021年に独立し、メディア出演、記事執筆など精力的に活動している。HP:青山和弘オフィシャルウェブサイト

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