追加関税の一時停止やスマホ・半導体の除外は関税戦争「終結」への第一歩、いよいよ日本株の反撃がこれから始まる
もちろん、2点の底を割れて、株価が下落すれば、こうした目標は雲散霧消してしまうし、そうなった例も、過去には何回もある。ただ、今回の底値の2点は、強烈な「セリングクライマックス型」で、底を打った確率はかなり高いとみる。
ただし、10日の日経平均は、市場2番目となる2894円の大幅高で3万4609円まで戻ったが、3月後半からの下げは大きかったと言わざるを得ない。
4月11日現在、株価と移動平均線との乖離率は、25日が-6.70%、75日が-11.55%、200日が-12.32%のそれぞれ大幅な下方乖離で、短期・中期・長期のどの時点で見ても、投資家はまだ大きな「評価損」を抱えている。
前出の4万0281円を目指す前に、この3つの移動平均を抜かなければ何も始まらない。25日移動平均が位置する約3万6000円、次は75・200日移動平均の約3万8000円前後まで戻る相場では、評価損を低減させるための「ヤレヤレ売り」も出るだろう。
株価が下げすぎたこの局面は「めったにないチャンス」
しかし、2点底を確認した株価は、トランプ関税戦争の混乱が収束するとなれば、移動平均下方乖離率の高さは逆に、割安・買い場のシグナルとなる。
一方、アメリカ株の下落は、トランプ関税が元とはいえ、SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)の下落が大きな要因だった。同指数をみると、史上最高値をつけた2024年7月10日の5904.53ポイントから、今年の4月8日の3562ポイントまで約40%の下げとなった。衰退産業ではあるまいし、これは下げすぎで、SOX指数の自律反発が期待できる。
さらに、アメリカでは11日夜になって、トランプ政権が追加関税の対象からスマートフォンやパソコンだけでなく、日本の東京エレクトロンなどが供給する半導体製造装置や、データセンターに不可欠な記憶装置なども除外すると発表した(5日にさかのぼって適用)。半導体関連を含むハイテク株の影響が大きい日経平均には、大きな好材料だ。
中央銀行も「世界の経済成長に齟齬が生じないように」と、FRBだけでなく、ECB(欧州中央銀行)、あるいは日銀も十分に準備をして待機しており、この局面はめったにないチャンスだと思っている。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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