開幕前の大阪・関西万博会場でSkyDriveが「空飛ぶクルマ」を披露、15分で都市間移動を可能にする未来への第一歩
実用化への道と課題
SkyDriveは、2021年10月に国内初の空飛ぶクルマの型式証明申請を国土交通省に受理され、早ければ2026年の取得を目指している。製造面でもスズキとの提携により、2024年春から同社グループ工場で量産をスタートするなど、体制は徐々に整いつつある。
しかし実際に商用サービスを行うには、安全基準・法律の整備、バーティポート(離着陸場)の確保、社会の理解(騒音や料金など)の醸成といったハードルを超えなければならない。福澤CEOによると「目標は2028年頃の本格運航開始」であり、万博後も各地で実証を続けていく方針だ。
機体開発と並行して、空飛ぶクルマの活用に欠かせないインフラ整備も進んでいる。オリックスは万博の「EXPO Vertiport」を運営するだけでなく、将来的な事業展開も見据えている。同社の囲み取材では「一定のエリア(概ね100km圏内)に約20箇所の離着陸場が必要」との見解を示し、関西圏や瀬戸内エリアでのバーティポートネットワーク構築を検討中であることを明らかにした。
また、関西電力はSkyDriveと共同で空飛ぶクルマ専用の充電設備を開発。一般的なEV充電器よりも大容量で、大電流充電時のバッテリー冷却装置を備えた特殊仕様となっている。将来的には「一つの充電設備で複数種類の機体に対応できる汎用規格の確立を目指す」としており、2023年11月からは事業者向けに充電設備の先行受付も開始している。
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