開幕前の大阪・関西万博会場でSkyDriveが「空飛ぶクルマ」を披露、15分で都市間移動を可能にする未来への第一歩

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万博会場では他にも各社が時期をずらして様々な機体のデモフライトを予定している。丸紅は同じく展示されたLIFT社のHEXA(航続25km、1人乗り)で4〜7月に会場内飛行を行うほか、10月にはVertical Aerospace社のVX4(航続160km、5人乗り)で夢洲と尼崎フェニックス間の二地点間飛行を計画。

HEXA
丸紅エアロスペースはLIFT社のHEXAを展示している。1人乗りの空飛ぶクルマで、大阪城でデモフライトを実施した実績がある(筆者撮影)

また、ANAとJoby Aviationは9月下旬から閉会日までJoby S4(航続160km、5人乗り)による湾岸エリアの周回飛行を、Soracle(住友商事・日本航空のJV)はArcher Aviation社のMidnight機体展示を行う予定だ。

日常の移動をどう変える?

SkyDriveが掲げるビジョンは「日常的に空を移動する未来」。騒音や離着陸場所の制約から一般利用が限られていたヘリコプターに比べ、空飛ぶクルマは"タクシー感覚"で乗れる存在を目指す。従来のヘリコプターよりも格段に静かな飛行音と、都市部でも離着陸可能な小型サイズがその特徴だ。短距離でも移動時間が大幅に短縮できるため、観光やビジネスでの需要が期待されている。

その実装例としては、大阪メトロと進める「大阪ダイヤモンドルート構想」がある。梅田や天王寺、ベイエリアを空路で結ぶことで、陸路では40分~1時間かかる移動を15分程度に短縮できると試算されている。またJR九州とは別府~湯布院など観光ルートの活用を検討中だ。

一方で福澤CEOも「実用化にはまだ課題がある」と強調する。航続距離は現在15km程度で、将来的にバッテリー技術の向上により30~40kmへ拡張予定だが、さらなる研究開発が必須だ。

モックアップ
空飛ぶクルマの発着場では来場者が乗り込めるモックアップも展示する。少し先の未来を意識したデザインとなっているという(筆者撮影)
 
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