
東武アーバンパークライン新鎌ケ谷駅の改札。駅周辺には何がある?(撮影:鼠入昌史)
昔々、千葉県北部の下総台地には牧があったという。牧といっても横浜DeNAベイスターズとは何の関係もなくて、簡単に言えば馬の牧場のことだ。
下総台地はもとは火山灰の赤土の関東ローム層が数メートルも堆積していて、容易に水を得ることができなかった。だから耕作には不向きで、その代わりに古くから馬の牧場が置かれていたのだ。江戸時代には小金五牧、佐倉七牧などと言われる幕府直轄の牧場だった。
千葉県を走る東武線
さすがに近代以降はいくらか様相を変えてゆく。たとえば佐倉牧の一部は三里塚御料牧場になり、戦後になって成田空港などに変貌している。いまでもこの一帯には競走馬の生産・調教拠点が点在しているが、それも古くからの“牧”の歴史に連なるものといっていい。
一方、下総台地西部の小金牧を中心に開墾が進められたエリアも少なくない。禄を失って困窮した旧幕臣たちを中心に明治政府によって入植が促され、農業集落として生まれ変わったのだ。東武アーバンパークラインが走る、柏市や松戸市、鎌ケ谷市一帯も、そうした歴史を持つ町の1つである。
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