楽天証券やSBI証券だけでなく野村証券やSMBC日興証券でも不正取引を確認、フィッシング詐欺など顧客口座の乗っ取り被害

楽天証券やSBI証券で顧客のログインパスワードなどが第三者に取得され、不正な取引が行われた問題について、野村証券やSMBC日興証券などでも同様の取引が確認されたことが分かった。証券各社は投資家に対してセキュリティーの強化や不審なメールに対して注意を呼び掛けている。
野村証は4日、「野村証券を装い、偽メールでフィッシングサイトに誘導し、口座番号やパスワードなどを盗む事案が当社において急増している」とした上で、「その後、当該お客さまのオンラインサービス上で保有される有価証券の売買等が実施される不正な取引も確認された」とウェブサイトで発表した。
同証広報担当者によると、3月25日に顧客からの申し出を受け、翌日からウェブ上などを通して注意喚起を呼び掛けているという。
SMBC日興も4月4日付のウェブ上で「現在、フィッシング詐欺等によるものとみられる不正なログインや取引が当社で確認されている」と発表。マネックス証券も同様に不正取引を確認したとウェブ上で発表した。
日本取引所グループ(JPX)は同日夕、証券会社を偽って顧客情報を盗み取る被害が発生しているとして、投資家に対してフィッシング詐欺やマルウェア(不正なプログラム)について証券各社が公表している注意喚起を確認するよう呼び掛ける通知を発表。投資家に対しては、不審な点があった場合は証券会社の問い合わせ窓口などに確認するよう促している。
不正取引を巡っては、3月25日に楽天証が不正取引の疑いがあるとして中国株や香港株計500以上の銘柄を対象に買い注文の受け付けを一時停止。 SBI証も同月31日に不正取引があったことを明らかにしており、3月下旬から低位株の不自然な乱高下と不正取引との関連性が疑われていた。
著者:船曳三郎
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