「黒田バズーカ第3弾はない」と言える理由

市場が期待する一段の金融緩和策はあるのか

目を引くのは、日米で為替のこれまでの方向性が真逆(米国はドル高、日本は円安)であるにもかかわらず、両国の雇用や内外需の状況が日米で似ていることだ。

日本も「輸出不振、内需堅調」は米国とそっくり

どういうことだろうか。日本の雇用面を見ると、2日(金)に発表された8月の失業率は、前月より0.1%ポイント悪化(上昇)した。ただし、失業率の長期トレンドが変わったわけではなく、依然として改善(低下)の流れが崩れたとは言えず、大きく懸念する必要はない。

ところがその一方で、所定外労働時間(残業や休日出勤の時間)の前年比はマイナスが続いており、日本でも仕事量の伸び悩みにより、労働投入量に労働時間面から陰りが出ている。

仕事量減少の背景にあるのも、米国と同様に輸出の不振だ。これまでの円安にもかかわらず、輸出数量指数は前年比でプラスマイナスを出入りするような状況だ。輸出数量が伸びない要因としては、さまざまな要因が挙げられているが、円安によって、期待されたメリットが空振りとなっている。

内需非製造業の堅調、外需製造業の不振が、相対的にみられるという事態も、米国とよく似た現象だ。1日(木)発表の日銀短観では、足元の大企業の業況判断DIが、製造業は悪化、非製造業は改善、という形で表れていた。

また、内需関連の8月の実質家計支出(2日(金)発表)が2.9%増と3か月ぶりのプラスになった一方、9月30日(水)に公表された8月の鉱工業生産は、前月比が2か月連続の減少を記録した。このままでは7~9月の実質GDP前期比は、2期連続のマイナスを記録する公算が生じている。

次ページ円安のデメリットが勝つなか日銀の次の一手は?
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