白いドライバーで絶好調のテーラーメイド社長が語るイノベーションの秘密

拡大
縮小

--マネジメントを変化させるきっかけとして何があったのか。

04年に私個人のためにコーチを雇い入れた。継続した成長のために、分散リーダーシップという考え方を学んだ。リーダーの役割は、従業員がただ言われたことをするのではなく、自ら考えるようにし向けること。一般の従業員がより積極的にいろんな議論に参加して、問題を認識して、アイデアを交換することを始めた。

--04年にそうした考え方を取り入れて、その効果が出てきたのがここ数年である、と。

実際にかなりの改善が見られた。他の人の考えを聞くとかの改善が見られた。ここ2年くらいの意思決定を考えると、その前では考えられないような決定ができるようになっている。

--白いヘッドのドライバーというアイデアが、最初に上がってきたときの反応は。

11年の製品を議論する会議で、いろんな案が提示された中の最後の案が白いヘッドだった。その前年に白いヘッドのパターを出して、かなり成功を収めていたということが背景にある。しかし、そのときの大半の反応は、これはリスクが大きすぎてありえないというものだった。
 
 とはいっても、せっかくのアイデアなのでもう少し追求してみようと、実際に白いヘッドのクラブをツアープロに見せたら結構好評で、お客様に見せても好評だった。それで白いヘッドのクラブを出す意思決定をした。

--今後は白以外のヘッドも次々と出てきて、ドライバーは黒という常識はなくなると思うか。

ドライバーのヘッドは黒という常識は、過去のモノになってくる。黒と白を比べると、黒は古くて陳腐、ダイナミックでないというイメージができている。一方、白は格好いい、セクシー、機能的にも優れている。

--日本市場をどう見ているのか。90年代初頭に比べて6割減となっている。しかし、依然として世界2位の市場だ。

日本市場は米国に次ぐ世界2位のサイズだが、利益率では日本のほうが高い。利益率では日本はナンバーワンの市場だ。

日本市場はわが社にとってより大きな成長の機会がある。なぜなら日本メーカー、ブリヂストン、ダンロップ(SRIスポーツ)、ミズノが大きなシェアを持っているので、そこからシェアを奪取する可能性がある。メタルウッドのシェアは米国では40%あるが、日本ではまだ20%しかない。まだまだ伸びる余地はある。

私はこの業界に30年いるが、米国ブランドが日本のメタルウッド市場でナンバーワンシェアを獲得したのは初めてのこと。アグレッシブにリスクを取って、エキサイティングな製品を投入できるメーカーは、日本であれ中国であれ、米国であれ支持されるはずだ。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT