「ちいかわ」初のスマホゲームが放置系ゲームで登場するも広告と課金要素に不評の声相次ぐ

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『ちいぽけ』は放置ゲーだが、このゲームを遊んでいない人が持つ印象は、おそらく「のんびりとちいかわたちを眺めることができるゲーム」ではないだろうか。実際、『ちいぽけ』のPVでもそういう印象を前面に押し出していた。

たとえるならば、スマホ版「どうぶつの森」や、庭に寄ってくるネコたちを眺める『ねこあつめ』といったゲームをイメージすると思われる。実際『ちいぽけ』にもそういう要素はあるにはあるのだが、実際はあくまで放置ゲーのおまけに過ぎない。

ユーザーが持つイメージとゲームが宣伝した要素、つまるところ期待とマーケティングのすれ違いがあったからこそ、クソゲーとまで言われるようになってしまったのではないか、というのが筆者の見解である。

PV
PVではゲームシステムなどにあまり触れておらず、キャラクターのアニメーションを見せるような作りであった。確かにそこは魅力的で気合も入っているが……。画像は『ちいぽけ』公式PVよりキャプチャー

エンタメにおける期待のコントロール

ゲームのみならずエンタメ全般において期待のコントロールは重要である。広告で「おもしろくて最高の作品だ!」とあおったところでハードルが上がるばかりで、具体的にどういった部分がおもしろくて魅力なのかを表現しなければ、ユーザーにはきちんと伝わらない。

しかし、インターネットは流布しやすい言葉が独り歩きしやすいし、強いビジュアルばかりが伝播する。正しいイメージを伝えるのは正直もう難しいと言ってもいいだろう。せめて『ちいぽけ』はもう少しゲームシステムを伝える努力をすべきだっただろうが。

ともあれ『ちいぽけ』はいまでこそ低評価をよく聞くが、放置ゲーとしては無難な仕上がりでありビジュアルは優れている。少し時間が経てば馴染んだユーザーが残り、のんびりと愛されるゲームになるであろう。

むしろ問題は、原作のコンテンツ量がそう多くないところだ。「ちいかわ」を題材にして運営型ゲームを続けられるのか(つまりすぐネタ切れにならないか)といった部分である。はたして『ちいぽけ』は現在の不評と将来のアイデア枯渇にどう立ち向かうのだろうか。

渡邉 卓也 ゲームライター

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わたなべ たくや / Takuya Watanabe

いわゆるテレビゲームを専門にコラム・評論などの記事を書くライター。大学卒業後はサラリーマンになったが、満足にゲームを遊べない環境にいらだちを覚えて転身。さまざまなメディアにゲーム関連の記事を執筆。駄作に対して厳しく書いてしまうことでも知られる。

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