経済を無視したトランプ関税は「悲鳴を上げる株価」には勝てない、今は投資家にとってめったにないチャンスだ

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縮小

とはいえ、期待の外国人投資家は、まだ買いに転じたなどとは言えない。先週27日木曜日の寄り前に発表された3月第3週の対内証券売買契約(財務省ベース外国人動向)は1兆2060億円の売り越しと、第2週に匹敵する大量の売り越しだった。しかし、同日の引け後に発表された東京証券取引所ベースの外国人動向は、現物2611億円(先物4362億円)の買い越しと、4月以降の外国人投資家の戻りが期待される。

焦らず、慌てずに反転のチャンスを待て

今週の注目指標としては、4月1日(火)の3月日銀短観、アメリカ2月JOLTS雇用動態調査、同3月ISM製造業景況指数などがある。また週半ば以降も2日(水)のアメリカ3月ADP雇用リポート、3日(木)の同3月ISM非製造業景況指数、そして4日(金)の同3月雇用統計などに注目だが、ほとんどの事前予想は低調だ。「25%の相互関税実施」を目の前にして、強い予想は出しようがないだろう。

自ずと金融政策も決まって来る。アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は19日のFOMC(公開市場委員会)で、政策金利の誘導目標を4.25〜4.5%に据え置くことを決めたが、一方で、4月1日からアメリカ国債の縮小ペースを月間250億ドルから50億ドルに引き下げることも決めている。

FRBの保有資産の縮小(金融引き締め)は2022年6月1日から開始された。このとき、当初の縮小額の上限は月あたり475億ドル(アメリカ国債など300億ドル、住宅ローン担保証券175億ドル)とし、3カ月後の同月9月に同950億ドル(それぞれ600億ドル、350億ドル)に増加させた。その後は2024年6月に、同600億ドル(それぞれ250億ドル、350億ドルで据え置き)へと縮小額のペースを緩めていた。

そして4月1日以降は、前者のアメリカ国債などが月間250億ドルから50億ドルの縮小まで減速することになる(住宅ローン担保証券の減少ペースは据え置き)。

この間、FRBの保有資産は、2022年のピーク時の約9兆ドルから2兆ドル以上減少している。このようなFRBの資産縮小やトランプ関税の逆風が吹く中でも、NYダウは2022年6月時の3万2819ドルが直近2025年3月28日には、急落したとはいえ、なお4万1583ドルと、8764ドル(26.7%)上回っているのだ。
「トランプ相互関税」でアメリカ経済がどうなるかは不透明だが、バランスシートの目標が見えてきた現在、FRBは余裕でトランプ大統領の圧力に対応できる状態だ。

今や、FRBを加えると、投資家(株価)とトランプ大統領との「3者我慢比べ」となっている現況だが、トランプ相互関税はアメリカ経済も痛みを伴う。経済を無視した政策は長続きせず、最後は「経済常識=株価」が勝つはずだ。

アメリカ株や先物価格の動向から見て、3月31日も日本株は下げると思うが、FRBやECB(欧州中央銀行)、あるいは日銀も何かあれば、と待機しており、この下落局面は投資家にとってめったにないチャンスかもしれない。焦らず、慌てずチャンスを待つべきだ。

(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)

平野 憲一 ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト

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ひらの けんいち

日本証券アナリスト協会検定会員。株一筋約45年。歴史を今に生かすことのできる「貴重なストラテジスト」として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌への出演や寄稿記事多数。的確な予想で知られ、個人投資家の間には熱烈な「平野ファン」がいることでも有名。1970年に立花証券入社以来、個人営業、法人営業、株ディーラーを経て、2000年情報企画部長マーケットアナリストとして、投資家や各メディアに対してマーケット情報発信をスタート。2006年執行役員、2012年顧問就任。2014年に個人事務所ケイ・アセット代表。独立後も、丁寧でわかりやすい解説を目指す。

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