日経平均株価は「下落圧力」に負けてしまうのか 移動平均線は下向き、「売り方有利」は本当か
前回の「7月に日本株のサマーラリーが来るかもしれない」(6月10日配信)では、日経平均株価が3月22日に最高値4万0888円をつけたあと、4月以降激しい攻防戦が続いていることを指摘した。
すなわち、4月末の引け値が3万8405円だった日経平均は5月末の引け値が3万8457円と、激しい攻防戦の割に水準訂正はなかった。6月もすでに後半に入ったが、先週末(21日)の引けは3万8596円と、水準はほとんど変わっていない。
G7の多くの政権が苦境、マネーはアメリカへ?
ただ、その「攻防戦の最前線」といえる移動平均線を見ると、短期・中期の代表的な線である25日と75日が下向きになり、売り方有利の兆しが見えるとの市場筋の話もある。その理由の1つが、「追い詰められているG7の首脳たち」との見方だ。
6月の上旬あたりまでは、G7各国の政権基盤を不安視する見方は必ずしも多くなかった。例えば日本にしても、岸田政権は混乱しているものの、市場筋の評価は「経済や外交で、やることはやっている」として、世間一般ほど悪くはなかった。
しかし状況は一変している。イギリスの保守党・スナク政権の支持率は岸田政権より低いといわれるが、経済の実績と移民政策を頼りに逆転を狙って、5月30日に苦しまぎれの下院(定数650)解散に踏み切った。
7月4日の総選挙を前にして、兜町でも情勢分析に忙しいが、「かなり厳しい戦いになっているようだ。(壊滅的な打撃を被るほど)『ヤバい』レベルではないか」などの噂がしきりだ。
同じく支持率の低いフランスのエマニュエル・マクロン大統領も下院(定数577)の解散に踏み切っており、こちらは選挙1回目が今月30日(2回目は7月7日)で、イギリスよりも日が迫っている。こちらも代表的株価指数であるCAC40の急落が示すとおり、与党連合はかなり分が悪い。
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