日経平均株価は「下落圧力」に負けてしまうのか 移動平均線は下向き、「売り方有利」は本当か

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さらに、ドイツの連立与党も苦戦中だ。オラフ・ショルツ首相が率いるSPD(社会民主党)の支持率も岸田文雄首相と同様に低く、市民に負担を強いる環境保護政策や移民政策などが不評で、政局不安の真最中だ。

逆に政局不安が日常的だったはずのイタリアが、ジョルジャ・メローニ首相に代わってG7の中では比較的うまくやっていることが皮肉に見える。それだけG7各国の政治情勢は不透明になっているのだ。

結局、兜町では、資金はアメリカへの一極集中になるのではないかという説が広まっている。

もちろん「アメリカこそ、大統領選挙を11月5日に控えて『もしトラ』どころか『確トラ』(ドナルド・トランプ前大統領の有利が決定的になること)などと言われ、波乱があるのではないか」との見方もある。

しかし、アメリカは政権交代システムが確立しており、なんだかんだいっても政局不安で国が混乱し制御不能になることまでは考えづらく、次がジョー・バイデン大統領でもトランプ前大統領でも、アメリカの強さは変わらないという説が株式市場では有力だ。

FRBの資産縮小の影響は?

もちろん、肝心の米国株も、利下げの開始時期をめぐって神経質になっていることも事実だ。だが、前回も書いたとおり、結局はっきりしないこの金利水準こそが適温相場といえるのではないか。

ただ、金利水準だけでなく、FRB(連邦準備制度理事会)が同時に量的引き締め(資産縮小)政策を遂行していることを危険視する見方もある。

それについてひとこと述べると、ダウ30種平均株価はリーマンショック(2008年9月)後のダメ押し底(2009年3月の6547ドル)から、コロナショックを経て4万ドルとなる大相場を成し遂げた。

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