昨年11月、仮想通貨(暗号資産)交換会社FTX創業者サム・バンクマン・フリード(SBF)の刑事裁判は、大きな注目の中、詐欺と共謀の7つの罪に対する有罪の評決で幕を閉じた。
カギとなる争点の1つだったのが、顧客の被害額だ。検察と検察側の証人は裁判中、実に97回にわたり、SBFは顧客から80億ドルを盗んだと繰り返した。裏付けの証拠はいっさい示されなかったが、検察は明らかにその額を陪審員の頭にたたき込もうとしていた。
実際には、80億ドルという数字はミスリーディングだ。これは、競合他社が火を付けた2022年11月の取り付け騒ぎの中、顧客が行った引き出し要求に応えるのに必要な現金・流動資産に生じた一時的な不足額を示すもので、顧客が失った金額とは違う。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
トピックボードAD
有料会員限定記事