「持株会社」のメリットって何? 成功に不可欠な「2つ」のポイントとは? 一番大事なものを共有できなければ、いずれ瓦解するおそれも

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買収されて新たに持株会社の傘下に入る会社にとってみれば、事業をそのまま続けられることから、従業員や取引先の動揺も少なく、スムーズに持株会社グループの一員として企業活動を推進しやすい。

自社以外にベストオーナーがいるなどの理由で特定の事業を分離する場合も、自社の一事業部門ではなく法人格をもった事業子会社として運営されていれば、分離しやすく、分離先も受け入れやすい。

持株会社の作り方

事業持株会社か純粋持株会社の選択

主力事業を持株会社が担う場合、親会社を事業持株会社といい、すべての事業を子会社が担う場合、親会社を純粋持株会社という。一つの事業のウェイトが今後とも高い場合には事業持株会社が、事業多角化を進める場合には純粋持株会社が適している。

経営理念の共有

持株会社を作るときに一番大切なことは経営理念の共有である。

経営理念は、持株会社の目指すところ、存在意義を示す言葉である。パーパスといってもいい。経営理念は、持株会社グループのアイデンティティの要、求心力の結集軸である。

経営理念は大きなリスクを伴う経営意思決定を行うときに決断の原点となる。

経営理念は、決して順風満帆には進まない経営が壁にぶつかったときに自分たちの会社は何のためにあるのか、何をすべきかを考える原点になる。

経営が思わしくない方向に向かっていると感じたときに、行動の良し悪しを判断する原点にもなる。

したがって、経営理念を共有できることが持株会社グループを作る前提になる。経営理念を共有できなければ持株会社を作ってもいずれ瓦解するであろう。

次ページ周到に計画して関係者の理解と協力を得ながら
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