《全品270円》で大繁盛の居酒屋「金の蔵」、“現存するのは1店舗”に。7期連続赤字から再起をかける新事業は「金の蔵」とは真逆の意外な店
一例を挙げると、血合いが多く傷みやすいソウダガツオは、通常の流通網だと生臭さがネックになり、鰹節(宗田節)として消費せざるを得なかった。それが湘南台酒場のモデルでは、水揚げ後、その場で血抜きして、沼津の加工場で5枚におろし、真空パックにして店舗に直送することで、刺身での提供を実現した。
仕入れ値がキロ100~200円のソウダガツオを、1000円以上の丼ものとして提供することで、大きな粗利を得られる。盲点になりがちだが、生産と流通の中間に位置する加工が、うまく機能している好例だという。
他にも、廃棄を軽減できるメリットもある。その日店舗で魚を捌き切れなくとも、水揚げされてから24時間以内であれば、翌日に豊洲市場へ流すことも可能だ。
「水産の6次産業モデルを反映できる店舗は、勝ちパターンが見えている」と長澤氏。湘南台酒場と同様に、もともと赤字続きだった金の蔵を、リブランディングした好例が『アカマル屋鮮魚店 大宮すずらん通り店』だ。
同店では、沼津の加工場責任者を歴任した人材に店舗を任せ、売り上げ増を実現。具体的な数字は非公表とのことだが、2024年12月の売上は、2019年同期比で見ても大きく上回った。
ゆくゆくは恩恵を「金の蔵」に
今後は、より水産6次産業モデルを強固にして、その恩恵をグループ全体に波及させていく狙いだ。長澤氏は、名物の水産を活かした料理を、金の蔵のグランドメニューに組み込む展望も明かす。
総括すれば、サンコーの変遷は、ブランドの移り変わりが一周したかのようで興味深い。2010年前後に100店舗弱を急展開した金の蔵が、コロナを機に1店舗まで縮小。とって代わるように水産事業が立ち上がり、そのブランドが軌道に乗り、やがてその恩恵は金の蔵に回ってくるーー。そんな未来も近いように思えた。
栄枯盛衰は飲食業界の常。しかし、転んでもただでは起きないサンコーだ。もう一花咲かせる日を虎視眈々と狙っている。
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