《全品270円》で大繁盛の居酒屋「金の蔵」、“現存するのは1店舗”に。7期連続赤字から再起をかける新事業は「金の蔵」とは真逆の意外な店

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3月下旬の祝日、夕方に筆者が訪れた際は、開店直後ながら来店客も散見された。家族連れや、30歳前後の男女4人組、50~60代と思われる女性4人組など、客層も幅広い。店内は明るく開放的で、各テーブルは広々と使える。チェーンの居酒屋というよりも、上質なファミレスといった雰囲気だ。

日常使いするには、ハードルが高い印象を受けるが、夜間帯の客単価は3500円~4000円に落ち着く。前出のメニューに加え、いかの塩辛や釜揚げしらすおろしといった399円の肴から、まぐろの炙りポン酢(499円)、いかの丸焼き(599円)、トロ鯖の塩焼き(799円)など、流通コストを削減した価格帯が客を呼んでいる。昼は丼ものや定食を1000円から提供しており、サラリーマン層からの支持も獲得する。

この店単体で見れば、2024年9月以降は黒字が続き、業績も好調だ。

その日とれた産地直送の魚。手前から桜鯛、金目鯛(写真:筆者撮影)

「金の蔵」とは真逆のスタイル

気になるのは、金の蔵の運営元が、産地直送型の海鮮居酒屋を開業した経緯だ。

2009年に「全品270円均一」を掲げて参入した金の蔵は、業界の価格競争を熾烈にした火付け役として有名だ。客単価を2000円に据え、当時珍しかったタッチパネル式注文や、均一価格による計算時間の削減、高火力のオーブンによる調理時間短縮など、省人化を徹底した。

一方で、湘南台酒場の営業スタイルは、金の蔵とは真反対だ。鮮魚は注文が入ってから捌き、水産地から出店エリアの輸送費を考慮して価格帯を調整している。

金の蔵から湘南台酒場へ、なぜこのような大転換を図ったのか。まずはその謎を紐といていこう。

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