【キーマンズ・インタビュー】 ピラミッド型ではなく、一人ひとりが表面積を担う球の組織--三原一晃・DeNAヒューマンリソース本部人材開発部長に聞く
報道では「1000万円」ばかりがクローズアップされてしまったが、全員が年収1000万円となるわけではなく、中途採用と同様、各人の技量に見合った年収となる。エンジニア採用というと、理系の大学院生対象と思う人が多いが、理系の学部生だけでなく文系の学部生でも内定している。また「新卒エンジニアスペシャリスト採用」としては不合格でも、通常コースとして合格になることもある。
--通常コースの採用形態は。
コースとしては「ビジネス採用(総合職)」と「エンジニア採用」の2つ。文系、理系という考え方ではない。文系でもアプリを作りたければエンジニア採用に応募すればいいし、理系でも大きな事業に挑戦したければビジネス採用に応募すればいい。
入社後の配属先は、受け入れ部署の判断、人事の判断、本人の希望という3つの要素で決める。また、数年後にキャリアチェンジをすることもできる。ビジネス職からエンジニアに転身してもいいし、エンジニアがビジネス職になることも可能だ。
--採用手法で特殊なものはあるのか?
選考方法に特別なものはない。どの企業でも行っている適性テスト、グループ面接や個別面接によって選考している。エンジニア採用では、経験者は保有技術や作ってきたモノ、エンジニア未経験者は技術素養が重視される。
ビジネス採用では、12年卒採用から新しいトライアル施策を始めた。一泊二日の選考会で、社内では「ジョブ」と呼んでいる。ミスマッチ低減のために、採用側と学生側が相互により理解し合おうとするもので、最終面接の前の段階で実施する。研修施設にわれわれ人事と執行役員クラスの社員が学生と共に泊まり込み、個人ワークやグループワークなど実際の仕事現場に近い環境を再現し、学生の選考を行うというもの。