毎年1500億円超も稼ぐ「アンパンマン」の凄みとは? お客さんは日本の乳幼児ばかりなのに世界トップクラスのキャラクター経済圏を構築

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ドラッグストアでは、池田模範堂が「ムヒのアンパンマンシリーズ」で「かぜケア」「かゆみ止め」「めぐすり」「きずケア」の4分野で多数のコラボ商品を並べています。

現在、玩具と並んでアンパンマンビジネスを支えるのが、ミュージアム事業です。1996年にやなせたかしが故郷の高知県香美市にやなせたかし記念館を開業したのがアンパンマンミュージアムの源流です。

今では高知県の重要な観光名所に

高知市内から自動車で1時間弱かかる山間の川辺にありますが、開業当初50日間で来客数が10万人を突破し、今では高知県の重要な観光名所になっています。

本記事は『アンパンマンと日本人』(新潮新書)の第1章からの抜粋です。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

全国5カ所にアンパンマンこどもミュージアムを展開しているのが株式会社ACM(アンパンマンチルドレンズミュージアム)です。2007年に横浜、2010年に名古屋、2011年に仙台、2013年に神戸、2014年に福岡でミュージアムがオープンし、いずれも年間数十万単位の集客があります。

横浜のミュージアムは初年度に年間集客数が100万人を突破しました。神戸も開業10年あまりで累計集客数が600万人を突破、東日本大震災直後にオープンした仙台も開業12年で400万人を超えています。

中山氏の試算でも、コロナ禍以降、最も伸びているのがミュージアムのビジネスだそうです。2023年度は43億7200万円を売り上げました。年間集客数は合計300万人を超えるときもあります。

2014年8月にYahoo!ニュース「THEPAGE」の取材に答えたACMの渡辺一彦社長(当時)によれば、「アンパンマンの人気は根強く、この30年近くアンパンマングッズ市場は1500億円を下回ったことがない」とのこと。中山氏が指摘するように、国内アンパンマン経済圏の規模は年間1500億円プラスアルファというのが妥当な数字のようです。

柳瀬 博一 東京科学大学リベラルアーツ研究教育院 教授

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やなせ ひろいち / Hiroichi Yanase

1964年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、日経マグロウヒル社(現・日経BP社)入社、「日経ビジネス」記者を経て単行本編集に従事。『小倉昌男 経営学』『日本美術応援団』『社長失格』『アー・ユー・ハッピー?』『流行人類学クロニクル』『養老孟司のデジタル昆虫図鑑』などを担当。「日経ビジネス オンライン」立ち上げに参画、広告プロデューサーを務める。TBSラジオ、ラジオNIKKEIでラジオパーソナリティとしても活動。2018年3月日経BP社退社後、現職。共著書に『インターネットが普及したら僕たちが原始人に戻っちゃったわけ』『混ぜる教育』など。

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