「人手不足倒産」が2年で2.4倍! 危機的状況でも"離職者がドカンと減る”「値上げ」の驚きの効果 残業時間を減らし、利益と給料を増やす経営戦略

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このように、販売価格と離職率には相関関係があります。

利益率が低くなるような安い価格で仕事を受注すると、数をこなさないと利益が出なくなるため、業務時間が長くなり、残業が増え、離職率が高くなります。

その場合、離職率の高さの根本原因は価格の安さにあるわけです。

1%の値上げは利益を11%改善する

また、平均的な企業の場合、1%の値上げは利益を11%改善し、1%の値下げは利益を11%悪化させるという研究の結果があります。

例えば、原価8000円の商品を1万円で1万個販売し、固定費が1000万円だったとします。すると、売上は「1万円×1万個=1億円」となり利益は1000万円(「売上1億円-原価8000万円-固定費1000万円」)となります。

そこで5%値上げし、売上が「1万500円×1万個=1億500万円となった場合、原価と固定費は変わらないので、利益は1500万円となります。

この場合、利益の増加額は500万円、利益の増加率は50%となります。

5%値上げして利益が50%改善しているので、これは上記の「1%の値上げは利益を11%改善する」とほぼ同様の結果となっています。

値上げせず利益を500万円増やすためには、商品を1万2500個販売する必要があります。これは販売数量を25%増やさなければいけないということです。

つまり、「5%値上げ=販売量25%増」となるわけです。

今、皆さんが日常的に買われているもので、5%値上げされたら買わなくなる商品はどれだけあるでしょうか。おそらくそれほど多くはないでしょう。

そう考えると、5%の値上げは、それほど難しいことではないかもしれません。それでいて、利益に与える影響は販売量が25%増えた場合と同じものとなるのです。

ただし、少しでも値上げするとまったく売れなくなる商品もあります。「アサエルの購買行動分類」によると、次の条件に該当する場合は値上げが難しいとされています。

・他社商品との価格比較がしやすい
・「この会社のこの商品じゃないとだめなんだ」というこだわりが生じにくい
・他社商品と自社商品の違いを認識してもらいにくい

自社の商品がこの条件に該当する可能性が高い場合は、値上げには慎重になる必要があるでしょう。

この点に留意して、小さい値上げ幅から値上げを実施すれば、利益率が上がり、業務量を調整して残業を減らせるようになる可能性はあります。

また、利益率が上がれば給料を上げることも可能になり、それが離職を防ぐことにもつながります。

今後、人口が減少するにつれ、人手不足は加速し、離職のダメージはより大きくなっていくでしょう。そういった時代に向けて、今から人が辞めない組織作りを進めていただければと思います。

藤田 耕司 経営心理士、税理士、心理カウンセラー

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ふじた こうじ / Koji Fujita

一般社団法人日本経営心理士協会代表理事、公認会計士、税理士、心理カウンセラー。これまで1200件超の経営相談を受け、心理学と会計を活用した経営改善を行う。その経験から経営者の心理、部下の心理、顧客の心理を分析し、経営心理学として体系化することで経営改善の成果を高める。また、経営心理学を学ぶ「経営心理士」の資格を創設。経営心理士講座の受講生はのべ5000名を超え、その内容は大手企業や省庁でも導入される。著書に『リーダーのための経営心理学』(日本経済新聞出版社 日本、台湾、韓国の3カ国で出版)、『経営参謀としての士業戦略』(日本能率協会マネジメントセンター)。

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