実は落ち込みやすい「のんびりタイプ」の人。指導するならチーム内での貢献を具体的に認め褒めるのがカギ

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特定の対象に対して意識が向く傾向があるので、仕事では上司が、学校では先生が、家庭では両親などがその特定の対象となります。

従って上司や先生は「いつも見ている」「気にかけている」という意識を部下や生徒に持たせるとモチベーションが持続する傾向があります。

S選手の例

私がサポートしていた高校野球部のキャプテンS君は、地道な練習を黙々とこなし、手を抜かない姿勢は誰もが認めるところです。

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ただ、実力はあるもののなかなか試合で結果が出ない状況が続いていました。

「自分ではやっているつもりですし、手応えもあるんですが…なんか試合で結果が出ないというか…よくわからないです」というS君。

「そっかぁ。S君は何のために甲子園を目指しているの?」と聞くと、「何のため…う~ん…自分が行きたいから。えっ? ちょっと違うな。甲子園がそこにあるから」なんじゃそりゃって感じですね。

「では、甲子園に行ったら喜んでくれる人はだれ?」と聞くと、「お母さん、ですね」と即答。

「なんで?」と聞くと、「いつも応援してくれている」と。

「じゃあ、甲子園に行く目的は決まっているね」と言うと、「お母さんを喜ばせるため」とはにかんだ笑顔で答えてくれました。

「どう? 今の気持ちは?」と聞くと、「なんかがんばれそうな気がします」と。

のんびりとしたこのタイプは表面上ではモチベーションが上がったかどうかは判断が難しいかもしれません。

しかし、練習態度や物事に対する姿勢を見るとわかることがあります。

S君はしっかりチームをまとめキャプテンシーを発揮しましたが、甲子園には届きませんでした。

ただ、その年のプロ野球ドラフト会議で指名を受けプロ野球選手の夢は叶えました。

【もっと読む】小さなステップを着実に積み重ねる「チャンクダウン」は“慎重派”が目標達成するカギ。そして慎重派にやってはいけない「NG行為3つ」とは? 
飯山 晄朗 メンタルコーチ、人財教育家

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いいやま じろう / Jiro Iiyama

富山県高岡市出身。石川県金沢市と東京青山にオフィスを構え、全国で活動している。メンタルコーチを務めたアスリートがリオデジャネイロ五輪で銅メダル、平昌五輪で金メダル、東京五輪で金メダルを獲得。また高校野球で、歴史的大逆転劇で甲子園出場を決める、24年ぶりの甲子園決勝進出など、その実績は数えきれない。

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