米GAPが格安ブランドを日本投入 真の狙いは中国攻略
米アパレルのGAP(ギャップ)が展開する低価格ブランド「Old Navy(オールド ネイビー)」が日本に上陸する。4月に東京・台場に開業する商業施設「ダイバーシティ東京」に出店、夏以降に営業を始める予定だ。オールド ネイビーの海外進出は日本が初となる。
1994年に誕生した同ブランドは、社名を冠した看板ブランド「GAP」の半額近い価格でベーシックな衣料を販売し、人気に火がついた。今や北米ではGAPの売り上げを上回る稼ぎ頭となっている。ギャップジャパンは「日本のアパレル市場は低価格衣料のシェアが伸びており、成長の余地がある」と出店の意図を説明する。
成長続くファストファッション業界の中で、実はギャップの経営状況は厳しい。売り上げは2004年1月期をピークに右肩下がり。10年1月期こそわずかに増収となったが、売り上げの8割を占めるおひざ元の北米で苦戦している。GAPの販売が低迷していることが要因だ。昨年10月には北米にあるGAPの店舗を2割削減すると発表している。
成長を続けてきたオールド ネイビーも09年に店舗数が初めて減少。売り上げも前年を下回り、成長に陰りが見えてきた。海外への進出は必然といえる。