京都名物の「年1便・春分の日運行バス」。「乗り遅れたら、次は1年後」のバス成立の背景と、大混雑も「路線は年々減少」のワケ

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京都バス95系統は、2011年までは「週末のみ・1日3往復」の定期運行を行っていたという。なぜ、そこから「春分の日限定・片道1本のみ運行」に変わってしまったのか。

その理由を探す前に、京都バスの方にお話を伺いつつ、乗車してみよう。

【実録レポ】来たぞ、春分の日限定バス!あまりの多客に「2台続行運転」

乗車の様子
2台で何とか乗車できるほどの多客ぶり(筆者撮影)
大原バス停
年1回の「95系統」運行直前。大原バス停にて(筆者撮影)

95系統の始発・大原バス停(京都バス大原案内所)は、京都市営地下鉄・国際会館駅からバスで20分少々。ふだんは徒歩数分で行ける観光地「三千院」「宝泉院」へ向かう人々が多いが、この日ばかりは、バスを降りてすぐに鞍馬行きの行列に並ぶ利用客が目立つ。

運行の1時間前には場内の誘導人員が配置され、普通の観光客と”乗りバス民”を手際よく分けていく。

一方で待機場では、小型バスが年に1度しか出さない「95・鞍馬」の行先表示を掲出、待機中の人々はどよめき、一斉にシャッターを切りはじめる。このバスの為に遠方から訪れる方も多く、通常の路線バスへの乗車というより「バス趣味の一大フェス」といった雰囲気だ。

京都バスによると、95系統の運行には「例年なら60~80人が乗車する」という。小型バス2台は座席がぎっしり埋まり、通路まで人でいっぱい! 乗客全員を何とか乗せて、定刻通りスムーズに発車した。

95系統
この年の95系統は2台体制で運行、1台はあとから追走している(筆者撮影)
江文峠バス停の時刻表
江文峠バス停の時刻表(筆者撮影)
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