J-SATは、日本全国の地方で働くミャンマー人材へのヒアリングを重ねた結果、来日前の準備が重要であることにたどり着きました。そこで、福井県に来る介護人材向けの専門クラス、通称「福井クラス」をミャンマーに設立し、福井県が事前教育を支援するスキームを構築することにしたのです。
「福井クラス」のカリキュラム(全12回)は、以下の3つの要素を基に作成されています。
2. 来日前と来日後のギャップを減らすことも、定着において大きなポイント。
3. 来日後は、生活や仕事で新しいことを学ぶ必要があり、多くのストレスを抱える。そのため「その土地の特徴や方言を来日前に学ぶことが重要である」という意見が多く寄せられた。
福井弁の授業が思わぬ効果
具体的には、福井県の介護施設で働く予定のミャンマー人技能実習生に対し、来日前のミャンマーで日本語や介護に関する教育を行うだけでなく、福井の方言や文化、観光地についての学習や、福井県ですでに働いている外国人技能実習生とのオンライン交流授業をプログラムに組み込み、来日前にそれらを習得・理解できるようにしました。

福井弁の授業を担当したFBC福井放送の中村謙太アナウンサー (写真・森川晃)
その中でもとくに注目されたのが、「福井弁」の授業です。
すでに福井で働いているミャンマー人の先輩へのヒアリングでも、介護の仕事ではお年寄りと日常的に会話することが基本となるものの、ミャンマーで学んできた標準的な日本語とはまったく異なる福井の方言に戸惑い、働き始めた当初は困っていたことがわかりました。
そこで「福井弁」の授業を担当したのは、FBC福井放送の中村謙太アナウンサーです。彼はYouTubeで「現役アナウンサーが福井弁でニュースを読んでみた」など、福井弁に関するコンテンツを発信しています。
授業後、中村さんは「ミャンマーの学生の熱心さに驚きました。これだけ素直に言語を学ぶ姿を見て、福井でも頑張ってほしいなと、積極的に応援したい気持ちになりました」と打ち明けます。
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