技能実習生の定着図る「福井クラス」の画期的な成果 「地方にいかに残ってもらうか」方言も武器に

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受講生からも好評で、次のような感想が寄せられました。

「福井弁の発音は、日本語より少し難しいと思います。でも、実際に話してみると楽しいです。例えば、『ありがとうございます』を『ありがとうの』と言うのが面白くて、もっと他の言葉も知りたくなりました。これからも福井の方言を勉強し、発音を練習していきたいです」

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「とても熱心」。講師役も驚くほど福井弁を真剣、かつ楽しく学ぶミャンマーの学生たち(写真・西垣充)

「福井の方言をうまく使えるようになれば、仕事の際に福井の人たちとよりスムーズにコミュニケーションが取れると思います。そのため、今では『福井クラス』に参加している友達と会うと、福井弁であいさつをするようにしています」

この授業を見ていた日本語学校の教師や、そのうわさを聞いた福井以外の地域へ行く予定の生徒たちも「福井クラス」をうらやましがり、自分が行く地域の方言を自ら調べる生徒も出てきました。さらに、観光地についてはミャンマー人の先生が授業を担当したこともあり、教師たちは「福井」について詳しくなりました。

「福井県」が特別な求職地に

その結果、「福井」がこの学校では特別な存在となっています。これは、求職者を集めるうえでも大きな副産物となっています。

「福井クラス」で来日した介護技能実習生2人を受け入れている社会福祉法人緑進会(あわら市)の森川育子課長は、次のように語っています。

「これまで外国人を受け入れた経験がなく、職員も含め、日本語が通じるのか、仕事はどこまでできるのかなど不安がありました。しかし、すでに受け入れの実績がある新清会の施設を訪問して吉田理事長のもとで活躍するミャンマー人の仕事ぶりを見て、また直接話を聞く機会を得たことで、安心して受け入れることができました」

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