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技能実習生の定着図る「福井クラス」の画期的な成果 「地方にいかに残ってもらうか」方言も武器に

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  • 西垣 充 ジェイサット(J-SAT)代表
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「福井クラス」は本当に画期的な取り組みでした。これには、吉田理事長の「福井に支えられた人生」という想いと杉本知事の「強力なリーダーシップ」と使命感を持った行動、それを糧に1つひとつ検証・修正しながら継続し続けたゆえのものでしょう。

まずは民間レベルでできることを進め、そこに行政の支援が加わることで、民間だけでは広く普及させ、継続することが難しい事業も、永続的な拡大が期待されます。

民と官が持つ使命感のハーモニー

「福井クラス」の2期生12人は2025年2~5月に来日予定です。さらに3期生の面接が2025年8月に予定されています。

吉田理事長は、ミャンマーを訪問した在ミャンマー日本大使館から「外国人との約束を破る企業は多いので、ぜひ約束は守ってほしい」という言葉を心に刻みました。「約束を守ること」や「福井で働くことに対して、技能実習生のご両親にも安心してもらえる職場づくり」を常に心がけ、周囲にもその想いを伝え続けました。

その結果として、福井県労働政策課は、2023年に「ふくい高度外国人材等活躍活用応援事業」を開始するとともに、2024年3月には産業労働部の小野田謙一副部長らがミャンマーを訪問し、その体験は部署の垣根を越えて共有されました。2024年には長寿福祉課から「福井クラス」が立ち上がり、別の部署からもミャンマー人材活用の声が上がっています。

「人生をやりきって後悔はない。福井を任せた」。外国人に選ばれる福井に、という想いを形にした成果の1つが「福井クラス」だと語り、その想いが地元の放送局で特集・放映された3日後の2025年1月、吉田理事長はまるで一仕事を終えたかのようにこう言い残し87年の生涯を静かに閉じました。

「福井クラス」と同様の取り組みを実現したいという声が全国の自治体から寄せられ、問い合わせが相次いでいます。吉田理事長の想いは、福井から全国へと広がり始めました。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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