TSMCのアメリカ増資は「最良の選択」になる理由 出資も課税もなし、技術流出はリスクだが最大の勝者に
次に、トランプ大統領が「今後の1000億ドルの投資には補助金を出さない」と発言したことについてである。これをどう捉えるべきだろうか。
答えは単純で、「ないならないで構わない」ということだ。これからは、TSMC自身の努力が試される。
台湾の安保をTSMCだけに頼るな
外国企業であるサムスンが増資する場合も、補助金は得られないだろう。一方、アメリカがインテルに投資するか、新たな補助金を与えるかは不透明である。結局のところ、アメリカは自国企業を支援するのが当然であり、これが今後の変数となる。
しかし企業の競争力は、最終的には基本的な実力に帰結する。TSMCには十分な技術力と財務的優位性があり、インテルとの次の競争でも戦える状況にある。現在、インテルの内部は混乱しており、将来の方向性も定まっていない。製造部門は大きな損失を抱えており、立て直しにはまだ時間がかかるだろう。
そして多くの人が懸念するのは、TSMCがアメリカに多くの生産ラインを移せば、台湾が頼りにしてきた「シリコンシールド」が失われるのではないか、という点である。
確かに、半導体は俗に「シリコンシールド」と言われ台湾の国防を担ってきた現実がある。しかし、台湾の安全がTSMCにのみ依存するなどということが、そもそもありうるだろうか。
台湾国内で敵味方の認識を持たず、防衛費を増やさず、先端兵器を配備しない。さらに兵役をわずか3カ月で済ませ、国民全体の防衛準備もせず、それでも半導体だけで台湾を守れると考えるのは、まったくの冗談でしかない。
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