人口47人・限界集落で盛況する「峠の茶屋」。「あそこの灯が消えるとき、集落も終わる」地域の総合商社の”超多角化経営”が凄すぎた
「釣り客を運ぶというのは大変。でも本当にやっていてよかったと思いますよ。コロナで宿がまったく動かなくなったときに、釣り客がいたからよかったね」


目の前の港で水揚げ“秘境の刺身定食”
・3本目の柱:飲食(ランチ、プチ居酒屋、ボンドコーヒー)
飲食ではランチ営業のほか、夜は地域の人が集まるプチ居酒屋のような役割も果たしている。また、店内ではコーヒーを頼むこともできるので、喫茶店の役割も果たしていると言えるだろう。
ランチ営業は11:30~14:00(ラストオーダー13:30)、天候が悪い日、魚がない日は休みになることもあるので、遠方から向かう場合は事前予約がおすすめだ。平日は5〜6人、土日祝日の多いときは20~30人の来客があるという。何かのついでに通る道でもないため、目指してくる客がほとんどだ。
刺身定食は1650円と2200円の2つの価格帯から選び、刺身にあら汁、ごはん、漬物が付く。昔は1100円のメニューもあったが、採算が取れないためやめたそうだ。
「みんなが1100円だけ頼むと、材料代考えると食っていけないから。でも来たときに、おいしくなかったねって魚を出しちゃ絶対にいけない。タイは人気だし一年中釣れるけど、一年中おいしいわけじゃなくてサクラダイなら3~4月が旬。秋ならアジ、サバとか青魚系がおいしい」
春先や冬の時期になると、集落の漁師がきびなご漁に出るため、タイミングがよければ朝獲れのきびなごが出てくる。獲れたてピチピチのきびなごは、頭から丸ごとバリバリかじって食べるのがおいしいそうだ。
実は、著者がはじめて「がんじん荘」を訪れたのは数年前のランチタイム。この日の刺身定食はマグロのカマがのっており、そのあまりのおいしさに驚いた。聞いてみると、目の前の漁港で水揚げする定置網漁船から魚を毎朝買い付けているそうで、著者が訪れたときは数日前に定置網にマグロが入っていたらしい。

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