人口47人・限界集落で盛況する「峠の茶屋」。「あそこの灯が消えるとき、集落も終わる」地域の総合商社の”超多角化経営”が凄すぎた

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

歴史や自然を目当てに訪れる観光客のほか、007ファンが“聖地巡礼”に訪れる土地であるが、その規模はそう大きくない上に、アクセスの不便な土地である。

特異なロケーションに、ぽつんと佇む店はいつも気になる。「どうしてここに?」と思われるような変わった場所に居を構えながらも、長年独自の論理と展開で商売が成り立っていたりする。

観光客もさほど多くなく、町と町をつなぐ通り道でもない、目指さないとたどり着かないエリアで、人口は47人。この小さな集落にある「がんじん荘」はいかにして営業を続けてこられているか。その理由を探るべく、「がんじん荘」を訪ねた。

地域の総合商社として

なぜ人口47人の小さな集落にある店が営業を続けてこられたのか、上塘さんに話を伺っていくと、その秘密は5年後10年後を見据えた「多角経営」にあるようだ。

宿泊や飲食営業のほか、釣り客の瀬渡し、スキューバーダイビング客の対応、酒・たばこの販売といった雑貨屋業と、その業務内容はこの土地でのニーズに応えられうる限り対応し続けてきた中で生まれたものだ。

小さな家族経営ながら、あらゆるニーズに対応する様子を集落の人は「地域の総合商社」と呼び、「がんじん荘の灯が消えるときが、集落が終わる」とも話す。

「がんじん荘」の業務内容について、一つひとつ順を追って紹介していく。

・1本目の柱:宿の運営

「収益的に一番は宿ですね。宿泊は単価が高いので」と上塘さん。

宿泊は1泊2食付きで9350円(税込)、食事は目の前の海で水揚げされた海鮮尽くしのかなり豪華なものだ。部屋も掃除が行き届いており気持ちよく過ごせる。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事