なぜリクルートの人は卒業後活躍できるのか 「どこでも通用する人」に変わる3つの口ぐせ

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「目標金額を目指す」という行為自体は変わらないのですが、人間の心理として、追いかける数字が固定されているよりも、少しずつ減っていったほうが、「目標達成まで、あと1歩! もうひとふんばり頑張ってみよう!」という気持ちに自然となれるものです。ささいなことのようですが、期限が迫り、苦しい状況に置かれているときこそ、「あと1歩」という言葉が大きな力になります。

目標達成できる人とできない人というのは、能力に差があるのではなく、「あと1歩」を乗り越えることに対するこだわりに差があるとリクルートでは考えられていました。リクルート出身者には、“粘り強い人材”が多いとよく言われますが、「あと1歩」の状況を自分で作りだして、高いハードルをうまく乗り越えている人が多いのかもしれません。

自分の仕事の幅を広げる口ぐせ

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「最近どう?」という言葉も社内でよく飛び交っている言葉のひとつでした。これは、世間話をするための単なるあいさつではありません。「今、相手はどんな面白い仕事をしているのか」を確認することが目的だったのです。

たとえば、「自分が採用を手伝っているクライアントがこんな面白い事業に乗り出した」「商品プロモーションで悩んでいる顧客が増えている。そんな顧客群に対して新しいサービス提案を考えている」というように、「最近どう?」という投げかけから、自分がいかに面白い仕事に取り組んでいるかについてお互いに話し合うのです。

何も話せるようなネタがなくて、相手に「こいつは、面白い仕事をしていないんだな」と思われてしまうのは残念なので、自然と「つねに新しいネタを仕込んでおかないといけない」と意識するようになっていました。

そうすると、普段の仕事にも自然と張り合いが出てくるのです。また、お互いの仕事の近況を話し合うことで情報交換にもなりますし、部署を越えた思わぬコラボレーションが生まれることもあります。

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