Xbox、今更日本でのプロモに力を入れるワケ

マイクロソフト幹部が語る「日本重視戦略」

Xboxシリーズの市場としてみたとき、決して魅力的とは言えない日本市場に対し、強いコミットメントを発信する理由は何なのだろうか。

「我々は過去、Xbox事業を始めてから最高のタイトルを年末までにラインナップした。初年度はよく似たゲームが集中する傾向もあったが、今年はバラエティに富んだ最高のタイトルを多数、しかもXbox Oneだけの(プレステには発売されない)エクスクルーシブタイトルで発表することができた」とTsunoda氏は胸を張る。

マイクロソフトが得意とする北米市場における最新週間トップチャート(8月第2週)を見ると最新の「Rare Replay」が1位を記録しているほか、Xbox One用ソフトがトップ10のうち4タイトルを占める。本体の売上げも北米での週間売上げはPS4を越える勢いにまで復調してきている。グローバルでの出荷累計はまだ差が大きいが、この1年でかなり巻き返してきたとは言えるだろう。

PS4に対する巻き返し策とは?

「Xbox One 大感謝祭 2015」のステージで語るKudo Tsunoda氏

Tsunoda氏はPS4に対する巻き返し策として、より幅広いゲームラインナップの開発や、独立系ゲーム開発者の支援といった開発者サポート強化に加え、PS4にはない下方互換性(前世代ゲーム機のソフトを遊べる機能)を開発したと話す。今年6月のゲーム展示会「E3 2015」で発表された下方互換機能は「すでに100本程度の互換ソフトサポートしているが、今後、数百タイトルに増える見込み」(Tsunoda氏)だ。

しかし、これだけでソニーを追い越せると考えているわけではない。マイクロソフトの本当のタイトルリリースラッシュは、2016年に控えているという。

「2016年は、Xbox Oneだけでしか遊べない専用ゲームを、過去最高のタイトル数用意する。すでにアナウンスしている“Quantum Break”もそのひとつだが、日本のスタジオが開発する“Scale Bound”、”RECORE”といったタイトルが用意される」

Tsunoda氏は話の中で、繰り返し“日本のゲーム開発者”、“日本のゲームコミュニティ”という言葉を連発した。“Kudo”、“Tsunoda”という日本の姓を想起させる名前を持つ同氏だが、実際には日本との血縁はない。しかし、一方で子どもの頃から日本のゲームとともに育ち、コンピュータゲーム開発に携わってきた。“日本は家庭用ゲーム機を発明し、発展させた国で、偉大なアイディアを持つクリエーターが多数いる”と話すTsunoda氏は「Xbox Oneをさらにもり立てて行くトレンドの発信源として日本を重視する」とぶち上げた。しかし一方で、前述したように日本市場におけるXbox Oneの販売数は6万台にすぎない。

「日本のクリエーターには、北米や欧州のクリエーターにはない感性があり、前述のScale BoundやRECOREには、日本ならではのバックグラウンドや美しいグラフィクス表現、テイストが反映されている。これらの作品は“日本市場”という特殊な環境で閉じたものではなく、グローバルで通用するものだ。実際、これらをE3で紹介すると、瞬く間にグローバルでの大きなニュースになった。またそうした米欧とは異なるゲーム文化を育てている日本のゲームファンとの交流も絶やしたくないと考えている」(Tsunoda氏)。

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