ゼブラがkaku lab.で狙う筆記用具のDXとは 未来の筆記体験を新技術「T-Pen」と「kaku XR」で創出

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例えば、実際のノートやスケッチブックに文字や図を描きながら、それと同じ筆跡がヘッドマウントディスプレイやPC・タブレットの画面上で3Dデータとして再現される。ゼブラは「紙に書く」行為の心地よさを守りつつ、そこにXRならではの“空中に書き残す”表現を融合させることで、従来のペンの枠を大きく飛び越える新しい体験をつくり出している。

空中に立方体を描いている女性
空間に立体物を描く(写真:ゼブラ)

筆記用具メーカーが考える“書く文化”

kaku lab.を構成するのは3つの技術要素。

センサーを搭載したボールペン/シャープペンシル「T-Pen」、仮想空間での筆記を可視化するソフトウェア「kaku XR」、そして3次元の筆致情報を元に生成AIと連携して成果物を生み出す「kaku AI」。「T-Pen」は長さ146ミリ、重さ19.6グラムと軽量でペンとして使った場合のバランスの良さはさすが。

ペン
T-Penの構成(写真:ゼブラ)

この中に加速度、角度、筆圧、時間など、ペンの動きを詳細に記録するデータを取得、リアルタイムでデジタルデバイスに送信する。通常のボールペンやシャープペンシルとして紙に書ける一方、筆圧や動きを正確に捉えることで、まるで空中にペン先を走らせているような錯覚さえ覚える書き味を実現している。

ただし、これをすぐに市販化する予定はない。

特定の業務用途での共同開発などは行っていきたいとしているが、幅広く他の業界に呼びかけて“カク”ことによって生まれる文化を守り、育てたいと考えているという。

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