ゼブラがkaku lab.で狙う筆記用具のDXとは 未来の筆記体験を新技術「T-Pen」と「kaku XR」で創出
個別の商品カテゴリーでも、同報告書では油性ボールペンやシャープペンシルなどが10年間で2割以上落ち込んでいると分析している。
しかし言うまでもなく筆記用具メーカーは、アナログの要素にこそ強みを持つ企業だ。ゼブラも長年、書き味や持ちやすさなどにこだわったモノづくりをしてきた。培ってきたペン先技術やインク技術をどう次代に繋げていくかが喫緊の課題だ。
かつてのような需要が筆記用具では見込めない時代環境下で、“アナログの強み”を維持しながら新たな価値を創造するべきなのか。
そのテーマに取り組むために生まれたのが「kaku lab.」だ。
“紙”と“空間”、双方に区別なく書くための基盤
kaku lab.(カクラボ)は、リアルタイム3Dビジュアル生成プラットフォーム。ゼブラは2016年から“アナログの書き味”を活かしつつ、デジタル技術を取り入れた新しい筆記体験の研究を独自に進めてきたというが、その研究開発の成果として生まれた技術である。
メディアやコミュニケーションのデジタル化が進む中で、筆記体験、すなわち“人が文字や絵を手で書くこと”の本質的な意味を掘り下げ、デジタル社会の中で文化として育て、残していくための道を探ってきた。
この研究開発の中で、XR(クロスリアリティ)や生成AIといった最新の技術トレンドをアナログ筆記用具と組み合わせることで新たな需要を創出しようと試みた。
「kaku lab.」の基本コンセプトは、紙の上でペンを走らせる感覚をそのまま仮想空間に持ち込むことだ。
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