GAFAMが人々を支配「テクノ封建制」が示す現実 クラウド資本は多くの労働者を搾取している

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テクノ封建制
シリコンバレーのグーグル本社(写真: HiHi / PIXTA)
資本主義はすでに終焉を迎え、グーグルやアップルなどの巨大テック企業が人々を支配する「テクノ封建制」が始まっている。ギリシャの経済学者ヤニス・バルファキスはこのように強く警鐘を鳴らします。バルファキス氏が上梓した「テクノ封建制」を一部抜粋・再構成しお届けします。

最新のテクノロジーになったとしても……

テクノロジーが最先端になっても、工場を這いつくばって働く低賃金労働者に機械が仕事を強いる構造は、ほぼ200年前と変わらない。

コンピュータ・デバイスが労働者のあらゆる動きを追跡し、命令するアマゾンの倉庫。そこで働く人たちなら、父さんのお気に入りの映画、チャールズ・チャップリンの『モダン・タイムス』(1936年)と自分たちの姿を重ねることだろう。

アマゾンの倉庫では、1時間に1800個の荷物を検品してスキャンしなければならない。それはチャップリンが演じた、工場で流れ作業をする工員の運命と恐ろしいほどそっくりだ。ベルトコンベアの速度が突然上がり、彼はそれに追いつこうとしておかしくなり、巨大な機械に吸い込まれてしまう。結局、彼は本当の意味での歯車にはなれなかった。

ニューヨークのスタテン島にあるアマゾンの倉庫でピッキングの仕事をしていたフアン・エスピノーザは、「あんな場所なのだから、ベゾスさんが身分を隠して現場の上司をやろうとしても、きっと1日ももたないよ」と記事で語っている。

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